短い企画を説明する資料が必要なとき、最初から配色や余白まで考えるのは手間がかかります。説明文や公開URLを渡すと、構成を考え、ブラウザーで編集できるスライドと配布用PDFまで作るのがです。
今回は公開デモに日本語の架空企画を入力しました。見るのは、見栄えに加えて、予算・日付・対象人数が合っているか、測っていない効果を実績のように書いていないかです。この記事では実際の出力と、公式仕様から確認した利用条件を分けて紹介します。
2026年10月4日確認。対象は diggerhq/shipslides と shipslides.dev です。類似名の shipslides.com とは別製品です。試用には架空の情報だけを使い、公開デモで1件を生成しました。
何が公開されたのか
公式リポジトリでは、OpenComputer上で動くスライド作成エージェントと、一般利用者向けの入力サイトが公開されています。説明文や公開URLをもとにHTMLを書き、描画の検査を行い、HTML・PDF・各ページのPNGを出力する構成です。
公式READMEは本番配信日を2026年10月2日と記載していますが、タイムゾーンは書かれていません。公開サイトを追加したコミットは日本時間10月3日7時14分です。この時刻はコードの記録であり、一般利用が始まった正確な時刻とは断定できません。10月4日のHacker Newsへの紹介を、初公開日として扱わないようにします。公開サイトの変更記録
今回注目したのは、完成後にHTMLを持ち帰れる点です。社内で短い企画を説明する、公開サービスを紹介する、勉強会のたたき台を作るといった用途を想定できます。一方、PowerPointファイルの納品が必要な仕事では、出力形式が合うかを先に確認する必要があります。
無料デモと自分で運用する場合の違い
公開サイトでは、登録や支払い情報の入力なしで生成を開始できました。画面は英語で、説明文・聞き手・枚数・見た目を指定します。公開フォームで選べる枚数は5・8・12枚です。自前エージェント向けREADMEにある3〜30枚の仕様とは分けて読みます。
| 項目 | 公開デモ | 自分のアカウントへ導入 |
|---|---|---|
| 生成する場所 | 開発元が用意したOpenComputer環境 | 自分のOpenComputer環境 |
| 費用 | 今回は利用者への請求なしで試用 | モデルの推論とマシン稼働時間に応じた費用 |
| 回数 | 1 IPあたり直近24時間で開始3件、全体でUTC日付ごとに50件 | 自分の設定・残高・利用条件に従う |
| 導入 | ブラウザーから入力 | アカウント、クレジット、デプロイが必要 |
| ローカル完結 | しない | 手元で入力画面を動かしても生成はクラウド |
全体枠のUTC日付は日本時間の朝9時に切り替わります。個別の3件枠は「毎朝リセット」ではなく、直近24時間を見ます。セッション作成後の失敗も消費する仕様なので、うまくいかないときに連続して送信する前に、進行状況を確認します。公式の回数制限
自前導入の開発手順はNode.js 22.18以上が前提です。ブラウザー利用に専用のMac・Windowsアプリは不要ですが、公式のOS別動作保証一覧は確認できませんでした。今回はMacのブラウザーで確認しています。自前運用の費用は1枚いくらという固定価格ではなく、OpenComputerの利用量に応じた料金を確認する必要があります。
日本語の架空企画を5枚にする
試用では「Describe an idea」を選び、聞き手を日本の小規模店舗の管理者、枚数を5枚に設定しました。題材は、架空の雑貨店で問い合わせの担当振り分けを試す企画です。実在の会社、顧客情報、社内資料は入力していません。
入力に含めた条件は、担当者3人、期間2026年10月12日〜23日、準備予算の上限30,000円、外部サービスの追加購入0円です。返品可否の最終判断や自動送信をしないこと、処理時間や削減効果は未計測であることも指定しました。
コピーして使う場合は、期間と予算を自分の想定へ置き換えてください。営業日数は休日や店舗の営業日に左右されるため、日付とは別に確認します。下の依頼文では営業日数を断定しない形にしています。
日本語で5枚の社内提案スライドを作ってください。
すべて架空の検証用事例です。表紙にもそう明記してください。
企画名:問い合わせ整理の小規模試行
対象:架空の雑貨店の担当者3人
期間:2026年10月12日〜10月23日。営業日数は未確認です。
準備予算上限:30,000円。外部サービス追加購入:0円。
対象業務:問い合わせの担当振り分け。
返品可否の最終判断や自動送信は対象外です。
現状の処理時間は未計測です。削減率・売上効果・実績を作らないでください。
構成:企画/対象と現状/試行手順/予算と日程/継続判断。
継続判断では、正しく振り分けた件数/確認件数、修正時間、未分類件数を記録。
目標値は初週の観測後に決めます。
外部資料や画像は不要です。文字のはみ出しを確認し、HTMLとPDFを出力してください。今回の出力を確認する
公開デモの画面は6分6秒で完了を表示し、HTML・5ページのPDF・各ページのプレビューを返しました。待ち時間は今回1件の画面表示で、通常の所要時間を保証するものではありません。指定した5枚の構成ができ、日本語はHTMLとPDFの両方で読めました。

PDFを画像に変換して5ページすべてを確認した範囲では、文字の欠けや大きな重なりは見られませんでした。表紙には「架空の検証用事例」、予算30,000円、外部サービス追加購入0円が残り、2枚目に「処理時間は未計測」と書かれています。5枚目では、目標値を初週の観測後に決める条件も保たれました。売上の増加率や削減率を実績として追加した箇所は見つかりませんでした。
一方、日程の扱いには人の判断が必要です。試用時の入力には「10営業日」とも書いており、生成物は平日10日を並べ、「店舗の営業日として数えます」という注記を加えました。実際の休業日は入力していないので、この日数が業務上正しいと検証できたわけではありません。下書きを出す前に、営業日や休日の前提を確かめる必要があります。上の再利用用プロンプトでは、その点を未確認とする形に修正しました。
これは説明文から1回生成した結果です。URLを読み込ませる機能、別の日本語資料、スマートフォンでの編集は今回試していません。デザインが整ったという観察を、どんな資料でも正しく作れるという評価には広げません。
入力原文、再利用用の依頼文、未修正の出力PDF、空の検収表を試用教材ZIPにまとめました。PDFは生成結果の観察用で、実在の店舗の計画や営業日を示すものではありません。
HTMLを直したらPDFも確認する
公式仕様では、生成されたHTMLをブラウザーで編集し、保存できます。ただし、ブラウザー上で文字を直しても、先に生成されたPDFには自動で反映されません。共有するのがPDFなら、編集後にブラウザー印刷などでPDFを作り直すか、対応するエージェントのセッションで再書き出しを行います。出力と編集の説明
実際に「編集」を有効にし、表紙の30,000円を25,000円へ変更して「HTMLを保存」を押しました。保存したHTMLの表紙は25,000円になりましたが、別の予算ページは30,000円のままでした。ページをまたいだ同じ数字の一括修正までは行われません。
さらに、生成画面からPDFを再取得しても内容は元のファイルと同一で、表紙も30,000円のままでした。今回はこの違いを確かめるため表紙だけを編集し、修正版PDFの生成は行っていません。実務で金額を変えるときは、同じ数字が出る全ページを直したうえで、PDFも作り直し、最後に提出ファイルを開いて照合します。
| 提出前に見る箇所 | 確認する内容 |
|---|---|
| 数字と単位 | 金額、人数、期間が入力と一致しているか |
| 未計測の項目 | 仮説や予定が実績として表現されていないか |
| 対象外の作業 | 自動送信など、依頼していない処理が加わっていないか |
| 画面とPDF | 修正した文字が提出ファイルにも反映されているか |
| 日本語の表示 | 改行、文字切れ、表の幅、注記の読みやすさ |
| 公開URLを使った場合 | 引用元を開き、資料の主張を実際に支えているか |
この確認は、AIに自動検査させた後にも必要です。ShipSlidesの描画検査は、JavaScriptエラーやキャンバス寸法、文字のはみ出しなどを確認します。事実の正しさやあらゆる重なりを保証するものではありません。公式実装でも、モデルが生成したPNGを直接見て全ページを目視確認する設計とは説明されていません。
公開できる題材から試す
入力した説明文・聞き手・枚数・見た目は、ShipSlidesのAPIを通ってOpenComputerの生成環境へ送られます。「編集可能なHTMLを持ち帰れる」ことと、「生成も手元だけで完結する」ことは異なります。ローカルの入力画面を起動しても、推論と描画はクラウドで行われます。公式の実行範囲
今回確認した公式画面とREADMEの範囲では、ShipSlides固有の保存期間や削除方法、入力の学習利用条件までは確認できませんでした。まず公開ページや架空企画で使い勝手を確かめるのが取り入れやすい進め方です。生成セッションのリンクを、機密資料の保管場所として使えると考えないようにします。
ソースコードは公開されていますが、確認した版にはリポジトリ全体のライセンス表示を見つけられませんでした。READMEのMITという説明は、同梱する2つのスキルを指します。コード全体を商用で自由に再配布できるという意味には広げません。
日本語の短い説明資料を試作し、手元で編集して配る用途には検討の余地があります。PowerPointへの納品、共同編集、機密資料の管理が中心なら、その要件を満たすかを別途確認してから選びます。