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EP.11GEO / LLMO 13分公開: 2026-09-01

LLMO の効果測定 ── 訪問数が減っても成果が出ていることがある

従来の指標では測れません。引用されても訪問には繋がらないためです。何をもって成果とするか、その定義から作り直す必要があります。

#LLMO#効果測定#KPI#分析
執筆 / 監修
松尾 亮合同会社ふくふく 代表社員

データ基盤・データパイプライン構築 / BI / 生成 AI 活用支援を専門とするエンジニア (28 年)。 本記事は AI 利用ポリシーに基づき、生成 AI の補助で執筆 → 人間が監修・編集して公開しています。

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の取り組みで最も難しいのが、効果をどう測るかです。 には順位という分かりやすい指標がありましたが、ここにはありません。

この回は、何をもって成果とするかの定義から扱います。既存の指標をそのまま使うと、判断を誤ります。

1. 訪問数だけを見ると判断を誤る

生成AIの回答では、利用者が画面上で答えを得て、サイトを訪問しないことが標準になります。これを といいます。

訪問数だけでは区別できない
起きていること訪問数実際の成果
引用され、訪問もされた増える明確に成果
引用されたが、訪問はされない変わらない認知は得ている
引用されず、検索経由も減った減る成果が出ていない
引用され、検索訪問が減った減る判断が難しい

問題は4行目です。訪問数は減っているのに、認知としては広がっている。従来の指標だけを見ていると「施策は失敗」と判断してしまいますが、実態は違うかもしれません。

訪問数の減少を、単独で失敗と判断しない

この誤判断は実害を生みます。うまくいっている施策を止めてしまうためです。訪問数が減ったら、引用されているかどうかを確認してから判断してください。

2. 何を測るか

測る対象を、直接的なものから間接的なものまで並べます。1つでは判断できないので、組み合わせて見ます

測る対象
指標測りやすさ何が分かるか
AI経由の訪問数参照元から判別できる場合がある
されるか手間がかかる最も直接的。実際に試すしかない
指名検索の推移測りやすい認知が広がったかの間接指標
問い合わせの内容測りやすい「AIで見た」という言及が入る
の訪問測りやすい参照の対象になっているか
従来の検索からの訪問測りやすい比較の基準として

3行目の指名検索が、実務では有効な間接指標です。AIの回答で社名を知った人が、後から社名で検索するという動きが起きます。訪問数が減っても指名検索が増えているなら、認知は広がっていると解釈できます。

4行目も見落とさないでください。問い合わせのときに「AIに聞いたら出てきた」と言われることが増えているなら、それは直接的な証拠です。定性的な情報も記録しておく価値があります。数値化できないからと捨ててしまうと、最も確度の高い情報を失うことになります。件数が少なくても、記録として残しておいてください。

3. 引用されるかを実際に試す

最も直接的なのは、実際に質問してみることです。自動での完全な計測は困難なので、定期的に試して記録するという運用になります。

  1. 1想定される質問を20〜30件用意する — 利用者が実際に聞きそうな形で
  2. 2複数のサービスで試す — 事業者によって結果が違う
  3. 3自社が引用されたかを記録する — された / されない / 競合が出た
  4. 4定期的に繰り返す — 月1回など、間隔を決めて
  5. 5変化を追う — 施策の前後で比較する
試行結果を記録して、推移を見る形にする
Python
import csvfrom collections import defaultdict
# 手作業で試した結果を、この形で記録していく# date, service, question, cited (self/competitor/none)ROWS = "llmo_check.csv"

def summarize(path=ROWS):    by_month = defaultdict(lambda: {"self": 0, "competitor": 0, "none": 0})    with open(path, encoding="utf-8") as f:        for row in csv.DictReader(f):            month = row["date"][:7]            by_month[month][row["cited"]] += 1
    print(f"{'月':<9}{'自社':>6}{'競合':>6}{'なし':>6}{'自社率':>9}")    for month in sorted(by_month):        c = by_month[month]        total = sum(c.values())        rate = c["self"] / total if total else 0        print(f"{month:<9}{c['self']:>6}{c['competitor']:>6}"              f"{c['none']:>6}{rate:>8.0%}")

if __name__ == "__main__":    summarize()

競合が引用されたかも記録するのが要点です。「自社が出ない」だけでは、そのテーマ自体が引用されにくいのか、競合に負けているのかが分かりません。競合が出ているなら、勝てる余地があるということです。

結果は揺れる

同じ質問でも毎回同じ回答になるとは限りません。1回の結果で判断せず、複数回・複数サービスで試して割合で見てください。これは 統計入門 EP.07 で扱った「少ない件数は揺れる」という話と同じです。

4. 期間を約束しない

「何か月で効果が出るか」という問いには、根拠を持って答えられません。参照のされ方は事業者ごとに違い、しかも仕様が頻繁に変わるためです。

期間を約束する主張は疑ってください。この分野は歴史が浅く、公開されている一次情報も限られています。断定的な数字を出せる状況にありません。

現実的なのは、測り始めて、変化を追うことです。基準となる数字を先に取り、施策の前後で比較する。絶対的な目標値ではなく、変化の方向で判断します。「引用率を何%にする」という目標は、そもそも達成可能な水準が分からないため設定できません。前月比で見るほうが実態に合います。

5. 測定の設計

測る仕組みを作るときの順序です。先に基準を取っておかないと、後から比較できません

  1. 1施策の前に基準を取る — これを飛ばすと比較対象がない
  2. 2複数の指標を並べる — 訪問数だけにしない
  3. 3定性情報も記録する — 問い合わせでの言及など
  4. 4間隔を決めて繰り返す — 気づいたときだけでは推移が見えない
  5. 5外部要因を記録する — 仕様変更、季節性、他の施策

5番目が重要です。変化があったとき、それが自社の施策によるものとは限りません。事業者側の仕様変更で、全サイトの参照のされ方が変わることがあります。何があったかを記録しておくと、後から解釈できます。

これは 統計入門 EP.06 で扱った因果の話です。施策の後に数字が変わったからといって、施策が原因とは限りません。共通の原因(仕様変更)があるかもしれない。

6. 何を報告するか

最後に、社内への報告の仕方です。訪問数という分かりやすい指標が使えないぶん、説明の設計が要ります。

報告に含めるもの
報告すること書き方の例
引用の状況「30問中12問で自社が引用(前月8問)」
競合との比較「競合Aは15問。差は縮まっている」
間接指標の推移「指名検索が前月比で増加」
定性的な証拠「問い合わせ3件で『AIで見た』と言及」
分からないこと「訪問数への影響は切り分けできていない」

最下行を必ず入れてください。分からないことを分からないと書く。この分野は不確実性が高く、確実に見える報告のほうがむしろ疑わしい。誠実に不確実性を示すほうが、長期的には信頼されます。加えて、後から前提が崩れたときに立場を失いません。断定した数字が外れると、次の報告の信頼まで下がります。

ここまでのまとめ

訪問数の減少を単独で失敗と判断しない(ゼロクリック が標準になる)。測るのは引用の有無・指名検索・問い合わせでの言及を組み合わせて。引用は実際に質問して記録するしかなく、競合が出たかも記録する。期間は約束できない(根拠がない)。施策の前に基準を取る。そして報告には分からないことも書いてください。

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