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EP.108Toolbox 11分公開:

Corollary:MacのローカルAIでLaTeXを編集。引用・数式の保護を4例で確かめる

無料のMac向けLaTeXエディターCorollary v0.1.0を解説。Apple内蔵モデルの利用条件、原稿の送信先、引用・数式を守る検査の限界を公開コードの4例で確認し、段落単位で試す手順を整理します。

#ローカルAI#LaTeX#Mac#文書作成#Corollary
執筆 / 監修
松尾 亮合同会社ふくふく 代表社員

データ基盤・データパイプライン構築 / BI / 生成 AI 活用支援を専門とするエンジニア (28 年)。 本記事は AI 利用ポリシーに基づき、生成 AI の補助で執筆 → 人間が監修・編集して公開しています。

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研究報告や論文の一段落を読みやすくしたい。でもAIに直してもらったら、引用が消えたり、数式の数字が変わったりするのは困る。未公開の原稿を外部のAIへ送らずに作業したい場面もあります。

Corollaryは、MacでLaTeX文書を編集する無料のオープンソースアプリです。LaTeXは、文章と数式・引用の指定を書いたソースからPDFを作る仕組み。Corollaryは編集画面とPDFプレビューに、Mac内蔵モデルによる文章編集と、変更を検査する処理を組み合わせます。

v0.1.0の公開は2026年11月2日3時59分44秒JST(11月1日18時59分44秒UTC)。本記事は同日朝、公開から約3時間後に確認した初期版の解説です。同名の別アプリと区別するため、配布元はcalvinyz/corollaryを確認してください。

ATTENTION:初期版です。日本語品質とアプリ全体の動作は未検証

v0.1.0のREADMEはAppleの公証をまだ受けていないと説明しています。この記事では配布アプリの起動制限を解除せず、公開コードの編集チェックだけを検証しました。GUIでの編集、内蔵モデルの文章品質、日本語PDFの作成、通信を遮断した状態での動作は未実測です。業務原稿へ導入する前に、配布元と所属先のルールを確認し、公開可能なサンプルのコピーで試してください。

ローカルLLMだけでなく、「変更を検査してから選ぶ」

v0.1.0の説明では、選択した文章に⌘Kで編集を指示し、差分を受け入れるか戻すかを選びます。AIによる編集前にはスナップショットも作られます。論文を丸ごと任せるより、段落単位で変更理由と差分を確認する使い方が合います。

段階役割確認すること
文章の選択直したい一段落だけを指定数式・引用を含む範囲と、変更してよい文章を明確にする
モデルへの指示短縮・文法修正・書き換えなどを提案モデルは文章を生成する。内容の正しさを保証しない
コードによる検査引用キー・数式・波括弧や数式区切りなどをチェック検査対象の構造が保たれているかを見る
差分とPDFの確認人が採否を決め、再コンパイルする主張・否定・条件・単位・引用先の意味まで読む

ローカルLLMは、モデルの処理を手元で行うという意味です。処理場所と回答の正確さは別の軸です。Corollaryの面白さは、モデルの提案に加えて、LaTeXの構造を確認する検査を挟んだ点にあります。

実測:引用・数式の変更は止めたが、意味の反転は通った

本誌はv0.1.0のvalidate.tsを取得し、公開コードのcheck関数をそのまま呼び出しました。環境はmacOS 27.0.1、Node.js v24.22.1。入力と候補文は本誌が作った4例で、LLMが生成した結果ではありません。GUI全体の保護や、日本語での精度を測った試験でもありません。

元の文は「We measured a gain of $x=2$ using \cite{demo2026}.」。demo2026は架空の引用キーです。実在する論文の引用ではありません。

候補文の変更check関数の結果読み方
引用・数式を保ち、語順だけ変更許可(ok: true)文章だけを直す例は通った
引用キーdemo2026を削除拒否(dropped demo2026)引用の脱落を検出した
数式のx=2をx=3へ変更拒否(changed / removed an equation)検査対象の数式の差を検出した
measuredをdid not measureに変更、引用・数式は維持許可(ok: true)「測定した」が「測定していない」へ変わっても通った

最後の例が実務上の要点です。引用キーや数式が同じでも、主張の意味は逆になります。検査を通ったから事実が正しい、引用先が実在する、論文の結論が保たれた、とは言えません。今回の4例は検査範囲を確かめる小さな試験であり、全パターンの検出率ではありません。

開発者の評価記録も、文章編集の構造チェックと、コンパイル・内容の正しさを分けています。合成した段落を使った小規模評価で、比較モデルの検証も未実施とされています。本誌の4例とは条件も目的も異なり、他のAIより正確だと結論づける材料にはしません。

使えるMac、料金、通信が必要になる場面

項目v0.1.0で確認した条件
アプリ本体Apple silicon Mac、macOS 14以降。無料、Apache-2.0。モデルのライセンスは別。
標準の文章編集AIApple Intelligenceを有効にしたmacOS 26以降。Appleのオンデバイスモデルを利用。
別モデルOllama、または自分のAPIキーを使うクラウドモデルを選択可能。外部モデルの費用・条件は別。
PDF生成TeX Liveとlatexmk。必要な環境・パッケージの取得には通信が必要。
画像から数式へ別のGLM-OCRモデルを手元で利用する構成。初回のモデル取得が必要。
共同編集・他OSアプリ内の共同編集、Windows/Linux版などは今後の計画。現行機能と混同しない。

条件はREADMEとプライバシー説明に基づきます。Apple内蔵モデルの一般的な仕組みはAppleのFoundation Models説明でも確認できます。Corollaryで日本語の指示・文章・学会テンプレートが期待どおり動くかは、それぞれ別に試す必要があります。

「オフラインで使える」は、初回から通信不要という意味ではありません。コンパイルに関する開発記録では、必要なパッケージが手元にそろった後の利用と、初回の取得を分けています。画像から数式へ変換するモデルも、標準の文章編集モデルとは別です。

公開仕様では、Mac内のAppleモデルやローカルOllamaを使う場合、原稿を外部モデルへ送らず編集できます。一方、リモートモデルを選ぶと、選択した文章や、コンパイルエラーと周辺80行のソースがそのサーバーへ送られると説明されています。Ollamaという名前でも別のPC上で動かせば、そのPCへの送信になります。保存先が同期フォルダーかどうかも含め、原稿の行き先を確認します。

導入から試すなら、公開可能な一段落を使う

  1. 1公式リポジトリのReleasesでバージョンと配布元を確認する。v0.1.0は未公証との説明があるため、組織の承認条件を先に確認する。導入条件を満たせない場合は保留する。
  2. 2自分が作った公開可能なLaTeXプロジェクトを複製する。必要なTeX環境を準備し、AIを使う前のPDFを生成できることを確認する。既存プロジェクトの原本を使わない。
  3. 3モデルをMac内のAppleモデルにして、一段落を選択し⌘K。最初は文法修正など変更範囲の狭い指示にする。日本語の指示文は下の例を出発点に試す。
  4. 4差分で、引用キー・数式に加え、否定、比較、条件、数値の説明を読む。意図と違えばRejectし、採用した場合もPDFを再生成して確認する。
  5. 5日本語原稿では、文章編集の品質とPDF組版を分けて確認する。元のテンプレートが要求するエンジンやフォントがあるかを調べ、最初の短い文書で成功するまで移行を広げない。

これは公開仕様を踏まえた試用手順です。本誌は配布アプリでこの全手順を完走していません。日本語LaTeXのテンプレート互換性を保証する設定例ではなく、元の環境で正常に生成できたコピーを比較対象にする考え方です。

⌘Kのカスタム指示で試す日本語の例。出力品質は未実測。
Text
選択した一段落の文法と読みやすさだけを改善してください。事実、否定、条件、比較の向き、数量、単位を変えないでください。LaTeXのコマンド、数式、引用キー、参照キー、ラベルをそのまま保ってください。新しい参考文献や主張を追加せず、編集した段落だけを返してください。

日本の仕事で価値が出やすい使い方

用途小さく始める作業人が残す確認
研究開発部門の英語報告機密を含まない検証用の要約一段落を文法修正因果関係や実験条件が変わっていないか
学会向けの原稿数式や引用を含む一段落を短くする文字数と意味の保持、投稿先のAI利用規定
技術教材・研修資料説明文の語順を整え、PDFで確認単位、前提、参照する式が正しいか

上記は本誌の活用案です。外部への送信を避けやすい構成は利点ですが、すべての業務原稿を無条件で扱えるという意味ではありません。最初の評価では、修正前後を残し、「読みにくさが減ったか」と「意味を変えなかったか」を別々に判定すると、採用の判断がしやすくなります。

Corollary試用・文章差分の確認シートを用意しました。端末条件・モデルの場所・AI編集前のコンパイル結果・差分の確認を記録する空のシートです。原稿や認証情報を記入する必要はありません。

確認日:2026年11月2日JST。仕様と検証対象はv0.1.0、ソースコミット5b0efeb76c6de2952a2472ce4f2910876f9ee7f8。独自試験は編集チェック関数の4例のみです。LLMの生成、日本語品質、GUI操作、PDF生成、通信の実測は行っていません。新しい公開版で条件や挙動が変わる可能性があります。

よくある質問

引用・数式の検査が通れば、文章の意味も正しいですか?
いいえ。本誌の小さな検証では、引用・数式を保ったまま文の意味を反転させた候補も通りました。構造の検査と内容の確認は別です。
日本語の論文にも、そのまま導入できますか?
本記事では日本語の文章品質とPDF生成は未検証です。アプリの利用条件だけでなく、原稿テンプレートのエンジン・フォント・パッケージをコピーで確認してください。
無料のローカルAIなら、ネット接続は一切不要ですか?
初回のTeXパッケージや画像認識モデルの取得には通信が必要です。リモートモデルを選べば原稿もその送信先へ渡ります。標準モデルと外部モデルの条件を分けて確認します。
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