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EP.26Toolbox 22分公開:

証券・FX・暗号資産API比較|IBKRなど6社の利用条件と制限

株・FX・暗号資産の口座API6社を比較。IBKR、サクソ、kabu、OANDA、GMOコイン、bitbankの利用条件・認証・呼び出し回数と間隔を整理。Pythonの残高取得コードと資産集計の設計例も掲載します。

#金融API#証券API#IBKR#FX#暗号資産#Python
執筆 / 監修
松尾 亮合同会社ふくふく 代表社員

データ基盤・データパイプライン構築 / BI / 生成 AI 活用支援を専門とするエンジニア (28 年)。 本記事は AI 利用ポリシーに基づき、生成 AI の補助で執筆 → 人間が監修・編集して公開しています。

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株式・・暗号資産(仮想通貨)の口座をで使うなら、対象商品・認証方法・呼び出し制限の3点から選ぶと候補を絞れます。APIは、自作プログラムから口座情報の取得や注文を行うための窓口です。残高を毎朝集めたい人と、相場や約定をリアルタイムに受け取りたい人では、必要な機能も接続方法も変わります。

この記事では、、三菱UFJ eスマート証券のの6社を比較します。対象は自分の取引口座の参照・操作です。IBKRのAPIの使い分けを詳しく見た後、残高・保有資産・約定履歴を集約する設計と、bitbankの残高を取得するの実装例を紹介します。

  • 株式や複数市場の口座情報:IBKR、サクソ、日本株中心ならkabuステーションAPIを比較。
  • FX口座のREST API:OANDA日本のNYサーバー口座を対象に利用条件を確認。
  • 暗号資産の口座情報:GMOコインとbitbankを比較。Python例はbitbankの残高取得から始める。
  • 大量呼び出し:毎秒の上限だけでなく、個別APIの待機時間・1回の取得件数・履歴保持期間も比較。
比較の範囲と確認日

2026年9月22日時点の公式資料に基づく技術比較です。各社の日本向け案内があり、本人の口座情報を扱える6社を選びました。対象は口座連携で、市場データ専用サービスは含めていません。利用できる商品・機能は契約先と口座種類で異なります。サンプルは架空データと模擬応答で検証し、実口座への接続や速度測定は行っていません。

候補を絞るなら第1・2節、IBKRを検討中なら第3節、呼び出し回数と長期運用は第5節、Pythonで試すなら第6・7節から読めます。

1. 証券・FX・暗号資産の口座APIでできること

は保有中の取引、は注文が成立した記録です。取得の方式も異なり、は必要なときに要求を送り、は接続を保って更新通知を受け取ります。後者でも購読操作や再接続の制限はあります。

同じ「API対応」でも、参照・市場データ・注文の条件を分けて確認する。表は狭い画面では左右にスクロールできます。
欲しい機能取得・操作するもの選定時に確かめること
残高・保有資産通貨別現金、保有数量、建玉、口座評価額数量と評価額の区別、価格取得の権限、取得時刻
取引履歴約定、手数料、入出金、口座レポート保存期間、ページ数、過去分の取得方法
市場データ株価、為替、板、過去の価格遅延の有無、対象市場、別途購読の要否
注文発注、変更、取消、注文状態注文ごとの上限、受理確認、重複注文の扱い

たとえば、口座残高を取得できても、その口座が持つ全銘柄のリアルタイム価格を自由に受け取れるとは限りません。IBKRでは市場データの購読や商品権限が別に関係します。サクソでも価格権限によってポジションの現在価格や損益項目が得られない場合があります。IBKRの市場データ条件サクソの価格と口座情報

この記事でいう「大量取得」は、必要なデータを利用条件の範囲で継続して取得することです。毎秒の回数だけでなく、1回で返る件数、差分取得、配信の購読、帳票の一括取得を含めて考えます。残高を1日1回集める用途なら、毎秒の上限より認証の維持と履歴の取りこぼしが重要になることもあります。

2. APIで使える取引口座6社の比較

口座APIの比較。対象商品・機能は契約する口座と権限で変わる。各社の根拠は以下の個別解説を参照
サービス主な口座API利用開始・運用の条件
IBKR残高・保有資産・証拠金・注文。Web API、取引アプリ(Trader Workstation)等に接続するTWS API、口座レポート用の日本法人がAPIを案内。個人Web APIには開設完了・入金済みのIBKR Pro口座が必要
サクソバンク証券OpenAPIで残高・ポジション・注文・取引履歴日本法人の有効な口座。私的利用は無料。本番アプリの申請と認証更新を確認
三菱UFJ eスマート証券kabuステーションAPIで残高・余力・注文約定照会、発注Professional以上。Windowsのkabuステーションを起動して接続。本人開発等の規定あり
OANDA証券日本のNYサーバーFX口座の情報・ポジション・注文・履歴Gold会員、NYサーバーのプロコース、残高25万円以上の継続など
GMOコイン暗号資産の残高・余力・建玉・注文・約定。Private WebSocketも提供口座にひも付くを発行。照会する機能の権限と接続元を設定
bitbank暗号資産の残高・注文・約定・入出金履歴など口座のAPIキーで接続。資産管理には「参照」のみの権限を設定
APIの豊富さは、必要な商品・配信・履歴・帳票がそろうかで見る
サービス機能の広がり履歴・レポートの特徴
IBKR株式・先物・オプション等の口座情報、証拠金、各種注文、市場データ配信Flexで定義した口座レポートも取得。市場データは購読・商品権限を別途確認
サクソ残高・保有資産、注文、過去取引、帳票。Portfolio・Trading等のAPIで取得・操作過去取引に加えてPDF/XLS形式のレポート。日本の口座で対象となる商品を確認
kabuステーションAPI国内株式・先物・オプションの残高・余力、価格・板情報、発注注文約定照会に対応。長期履歴の保持期間は今回確認できず
OANDA日本NYサーバーFXのレート、口座情報、ポジション、注文口座履歴の取得方法・期間は対象口座とAPIで確認
GMOコイン暗号資産の現物残高・レバレッジ建玉、注文・約定の通知最新約定一覧は直近1日、最大100件/ページ。継続保存が必要
bitbank暗号資産の残高、信用建玉、注文、入出金・約定履歴約定履歴は期間指定が可能で、1回最大1,000件

用途から候補を選ぶなら、複数市場の口座情報を扱う設計はIBKR、でアプリへアクセス権を与える設計はサクソ、日本株を中心に本人がプログラムを作るならkabuステーションAPI、日本向けFX口座のREST連携はOANDA、暗号資産の残高取得はGMOコインとbitbankが比較の出発点になります。

3. IBKR API:Web・TWS・Flexを用途で選ぶ

IBKRの日本法人はWeb APIとTWS APIを案内しています。口座情報、ポジション、証拠金、注文などを扱えるため、複数資産の管理を考える際の主要候補です。一方、APIごとに接続方法と取得範囲が違います。日本法人のAPI案内

Web API用Client Portal Gatewayと、TWS API用IB Gatewayは別のソフトウェア
方式用途実装前に確認する点
Web APIで口座情報を取得し、必要に応じて注文や配信へ連携個人向けの標準導入はClient Portal Gateway。日々の認証とセッションを管理
TWS APITWSやIB Gatewayを使うアプリから口座情報・注文等を扱う常駐アプリ、接続設定、再起動・再認証、データ種別ごとの上限
Flex Web Service事前に定義した口座レポートを生成・取得Flex Queryの列・期間を定義し、生成待ちと取得処理を分ける

個人向けWeb APIは、ログインの維持まで設計する

個人Web APIの公式条件は、開設が完了して入金済みのIBKR Pro口座です。関連するペーパー口座を使う場合も本口座の条件が関係します。認証専用資料では個人向けの標準方式がClient Portal Gatewayとされており、「OAuth対応だから個人も常駐アプリなしで使える」とは一括りにできません。個人向け条件認証方式と対象口座

Client Portal Gatewayは、同じ端末のブラウザーで認証して、その端末からAPIを呼ぶ方式です。公式は毎日の再認証を求め、認証手順の自動化をサポートしていません。日次バッチでは「認証待ち」を処理状態として持たせ、失効した際に古い残高を本日の値として扱わない設計にします。Gatewayの制約Gateway FAQ

さらに、ポートフォリオ参照用のセッションと、注文・市場データを扱うbrokerage sessionには違いがあります。同じユーザー名で有効にできるbrokerage sessionはIBKR製品を通じて1つです。手動操作するアプリと自作プログラムを同時に使うときも確認が必要です。セッション管理

TWS APIは常駐型、Flexは口座レポート向け

TWS APIではTWSまたはIB Gatewayを起動し、ログインした状態で利用します。Web APIのClient Portal Gatewayと名前が似ていますが別物です。日次・週次のレポートが目的なら、Client Portalで作ったFlex QueryをHTTP経由で生成・取得するFlex Web Serviceも検討できます。直近の注文一覧と、指定期間の口座レポートは用途を分けて扱います。TWSの導入条件Flex Web Service

IBKRを採用する際の最初の成果物は、API接続だけでなく「毎朝の取得手順」「認証が切れた日の表示」「不足した履歴の補完方法」です。常時配信が必要か、1日1回のレポートで足りるかを先に決めると、選ぶ接続方式も絞れます。

4. サクソ・国内証券・FX・暗号資産APIの特徴

サクソバンク証券:OAuthと本番アプリの条件を確認

日本法人は、有効な取引口座を持つ利用者にOpenAPIを案内し、私的使用目的は無料としています。Portfolioで残高やポジション、Tradingで注文、Account Historyで過去取引などを扱えます。API利用料と取引手数料・市場データの費用は分けて見積もります。日本法人の利用案内APIの機能一覧

試験環境のSIMと本番環境のLIVEではアプリが別で、本番用アプリの申請手順も確認が必要です。個人の本番申請では入金済み口座が条件に挙がっています。OAuth 2.0のトークン更新では、新しいへ置き換える処理まで実装します。試用画面の24時間トークンを本番認証の設計に流用しません。本番アプリの申請認証仕様

kabuステーションAPI:国内株式と、本人が開発する常駐アプリ

三菱UFJ eスマート証券のkabuステーションAPIは、Professionalプラン以上で利用できます。Windowsでkabuステーションを起動し、APIパスワードからトークンを発行して接続します。/positionsで残高、/wallet/*で商品別余力、/ordersで注文約定を照会できます。利用条件動作環境APIリファレンス

利用規定には第三者作成プログラムの利用に関する制限があります。本人が開発する際も現行規定を確認します。トークンは終了・ログアウトだけでなく、別のトークンを新しく発行した場合にも失効します。同じ接続先を使うジョブでは、発行と更新を一か所で管理し、毎朝の接続確認を運用に含めます。API利用規定接続と認証の仕様

OANDA証券:NYサーバー向けREST APIを比較

OANDAは東京/TY3向けMT5 APIも案内していますが、本記事ではNYサーバー向けREST APIを比較します。REST・MT5 APIの使い分け

日本向けREST APIは、NYサーバーのFX口座情報・ポジション・注文・履歴等を扱います。Gold会員、プロコース、NYサーバー口座の残高25万円以上などの継続条件があり、初期・月額のAPI利用料金は無料です。デモ口座だけを登録してもAPIを利用できません。国内API案内デモ利用の条件

海外向けv20の上限を、日本契約の確定値として転載しないことが大切です。履歴取得についても国内の機能表とv20の解説では説明の範囲が異なります。本記事では回数・保存期間を一律の数字にせず、対象口座での確認事項としています。国内の履歴取得解説

GMOコイン:機能別のキー権限とPrivate WebSocket

暗号資産APIは、本人の残高・余力・建玉・注文・約定情報を扱い、機能ごとのキー権限や接続元の制限を設定できます。公開の価格・板情報を返すPublic APIと、口座情報を返すPrivate APIは別です。注文・約定の通知を受けるPrivate WebSocketもあります。公式API仕様

履歴の設計では、たとえばlatestExecutionsは直近1日分で、1ページ最大100件という条件に注意します。銘柄指定のsymbolが必須なので、売却済みの銘柄も含む取引対象ごとに全ページを取得します。現在の残高だけで取得対象を決めると、残高ゼロの銘柄の約定を落とすおそれがあります。この経路だけで数年分を初回取得できるわけではありません。残高の表示は毎朝でも、約定履歴の収集は保持期間より十分短い間隔にします。たとえば1時間ごとに取得範囲を重ね、約定IDで重複を除く設計です。最終成功時刻を監視し、停止期間が取得範囲を超えたときは欠落を明示します。約定取得を含む公式仕様

bitbank:参照キーで資産集計を始めやすい

bitbankは、資産・注文・約定・入出金履歴等のAPIを提供し、資産管理用途ではAPIキーを「参照」のみの権限にするよう案内しています。本記事の実装例には、この残高取得を使います。キーの権限設定公式REST仕様

約定履歴は1回最大1,000件で、期間指定も可能です。一方、約定済み・取消済みの注文照会には別の期間条件があります。「注文の状態」と「約定という出来事」を同じ履歴として扱わず、必要な情報を返すエンドポイントを選びます。注文照会・約定履歴の仕様

5. APIのレート制限を比較:呼び出し回数・間隔と追加制約

は、一定時間内にAPIを呼べる回数の上限です。複数の会社を比較するときは、秒・分・日という時間枠と、誰の呼び出しを合算するかをセットで読みます。

下表の「均等配分の計算値」は、時間を回数で割った平均の間隔です。提供元が保証する最短間隔ではありません。たとえば10回/秒を0.1秒ごとに送っても、通信の揺れ、他のジョブ、個別APIの制限により超過する場合があります。回数を数える時間枠、上限を共有する単位、個別の待ち時間を組み合わせて制御します。

2026年9月22日確認。計算値は呼び出し間隔の保証・推奨設定・実測速度を表すものではない
API公式資料の上限均等配分の計算値適用単位・追加制限
IBKR Web全体10回/秒0.1秒/回認証ユーザー単位。下表の5秒・15分などの個別枠も適用
IBKR TWS市場データライン数÷2/秒標準100ラインなら50回/秒=0.02秒/回契約のライン数で変化。履歴等のデータ種別ごとの追加制約も確認
サクソ原則120回/分、注文1回/秒一般枠0.5秒/回。注文枠1秒/回一般枠はセッション・サービスグループ単位。注文枠はセッション単位
kabuステーションAPI情報・余力系は秒間約10件、発注系10件約0.1秒/回カテゴリごとの制限。登録銘柄数等の別の上限も確認
OANDA日本対象口座で確認未確定のため算出しない国内の現行公開案内から一律の回数上限を確定できず
GMOコインそれぞれ20回/秒各枠で0.05秒/回同一口座で共有。取引高による別条件あり
bitbank取得系10回/秒、更新系6回/秒取得0.1秒/回、更新約0.167秒/回ユーザー単位。照会でもPOSTを使うAPIがある

IBKR:全体の毎秒枠より長い待ち時間がある

IBKR Web APIの代表例。全体上限と個別上限の両方を満たす
Web APIの対象公式の個別上限間隔を決める際の意味
注文一覧 /iserver/orders、約定一覧 /iserver/tradesそれぞれ1回/5秒全体10回/秒以内でも、同じ一覧を毎秒照会することはできない
口座一覧 /portfolio/accounts、サブ口座一覧 /portfolio/subaccounts、損益 /iserver/account/pnl/partitioned各APIで1回/5秒毎回の価格取得と一緒に繰り返さず、それぞれの更新周期を分ける
/pa/performance/pa/summary/pa/transactions各APIで1回/15分画面を更新するたびに再取得せず、取得済みの結果と時刻を表示する
スキャナー定義 /iserver/scanner/params1回/15分スキャン実行APIの枠とは別に管理する

上の間隔はIBKRの公式制限表に基づきます。制限超過では429が返り、IPが10分間の制限対象になる場合もあるため、429のたびに即時再送する設計にはしません。

分・日単位の枠、残り回数、超過後の待機も確認する

サクソには、セッション別の枠に加えてアプリ全体で1日1,000万回という標準枠があります。これは全ユーザー・全セッションの合計で、個人口座に毎日1,000万回が割り当てられる意味ではありません。応答のX-RateLimit-<dimension>-RemainingX-RateLimit-<dimension>-Resetで残数とリセットまでの秒数を確認します。バッチも内部の要求を数えるため、10要求をまとめても1回扱いにはなりません。サクソの上限・応答ヘッダー

kabuステーションAPIには、歩み値の取得が2件/秒という個別枠もあります。APIで同時に利用できるkabuステーションは1つで、API登録銘柄はREST・PUSHを合わせて最大50銘柄です。これは口座に保有できる銘柄数の上限ではありません。API仕様同時利用の条件

GMOコインのWebSocketでは、購読・解除の操作が同一IPから1回/秒に制限されます。通知が毎秒1件までという意味ではありません。Private用トークンも有効60分・最大5個なので、更新と発行数の管理が必要です。またAPIの呼出上限超過はERR-5003で通知されるため、HTTP 429だけでなく応答本文のエラーも判定します。GMOの制限・エラー仕様

APIキーや実行プロセスを増やしても、口座・ユーザーで共有される枠は増えません。1つの取得プログラムを毎秒5回に抑えても、同じ口座を使う別のプログラムが毎秒8回呼んでいれば、合計が上限を超える場合があります。各ジョブをまとめて制御し、全体と個別APIの両方の枠を守る必要があります。

実装例として、全体上限10回/秒の照会をまず5回/秒、つまり0.2秒ごとの送信に抑え、別途1回/5秒のAPIは6秒ごとに取得する設定が考えられます。これらは説明用の余裕を持たせた設定で、公式推奨値ではありません。ほかのジョブの利用量と応答を見て調整します。待ち時間には時計の補正で逆戻りしない時刻計測を使い、リクエストの送信時点で枠を消費させます。

件数も一緒に見積もります。仮に1回100件返るAPIで6万件を取り込むなら、必要な呼び出しは少なくとも600回です。毎秒5回に抑える設計では約120秒分の呼び出し枠が必要で、さらに通信・ページ処理・再試行の時間がかかります。これは仮の計算例で、上表の各社を実測した速度ではありません。

  • 初回取得:対象期間・ページサイズ・履歴保持期間を確認し、取得可能な範囲を記録する。
  • 継続取得:最後の成功時刻や取引IDを保存し、期間を少し重ねて取得して重複を除く。同時刻の複数約定を落とさない。
  • 配信:WebSocketが使える場合は通知を受け、切断後はRESTやレポートで欠落を照合する。
  • 429や一時障害:提供元の指示とRetry-Afterを尊重し、待機・試行回数・処理期限を制限する。注文の再送は照会の再試行と分ける。

再試行の作り方は429とRetry-Afterの扱いで解説しています。上限まで常に呼ぶ設計より、必要な情報を少ない回数で取る設計を先に検討します。

履歴を取り切る方法はページネーションで全件取得する、取得位置と重複を管理する方法は差分取得と再実行の設計で詳しく扱っています。

6. 実装案:残高・保有資産・約定履歴を集約する

最初の実装は、複数口座の情報を集めて毎朝確認できる画面にする構成が考えられます。各社の認証と項目変換を担当するプログラムを分け、保存先の形式をそろえます。発注は別の仕組みとして設計し、残高集計のプログラムへ混ぜない構成です。

取引口座の照会APIから、口座別の取得処理、取得原本と状態の保存、残高・保有資産・約定の統一、日次の確認画面へ進む設計図。取得失敗は欠損として表示する。
資産集計の設計例。各社のAPI接続方式と利用条件は、口座ごとに実装する。
提案する共通形式。各行の取得実行IDから提供元と内部口座参照を特定し、同じ会社の複数口座も区別する
保存する表主な項目誤集計を防ぐルール
取得実行取得実行ID、提供元、内部口座参照、取得開始・終了時刻、対象期間、成功/失敗、取得件数通信成功だけで完全取得とせず、全ページ取得まで成功にしない
残高取得実行ID、資産コード、総数量、利用可能数量、取得時刻、提供元の時点現金・暗号資産の数量を保持。利用可能額や余力を残高へ加算しない
保有資産・建玉取得実行ID、提供元の銘柄ID、数量、単位、通貨、評価額とその時点株数、ロット、契約乗数を区別。建玉の名目額を純資産へ加算しない
約定・資金移動取得実行ID、提供元のイベントID、取引時刻、数量、価格、手数料、通貨提供元・内部口座参照・イベント種別・IDの組で重複を除く

円換算する場合は、元の通貨・数量、換算レート、価格の時点を別に保存します。口座が返す純資産には現金や評価損益が既に含まれることがあり、「純資産+現金+保有商品の評価額」と足すと二重計上になります。口座ごとの純資産を使う集計と、構成資産を積み上げる集計は別々に作り、定義を確認して照合します。

同じ銘柄名でも市場や通貨、デリバティブの限月・権利条件で別の商品になります。銘柄名だけで結合せず、提供元の識別子と商品属性を持たせます。銘柄コードと識別子の突き合わせも参照してください。小数の数量・金額は文字列またはとして扱い、必要な丸め方を決めるまで精度を保ちます。

画面には「取得済みの口座数/対象口座数」「最終成功時刻」「換算できていない通貨」を出します。取得できなかった口座を0円として合計せず、前回値を使う場合もその日時を表示します。全口座が同時に更新されるわけではないため、異なる時点の値を合算した概算であることも分かるようにします。

参照だけに絞る方法

bitbankでは参照権限、GMOコインでは必要な照会機能だけをキーに付与します。プログラム側でも接続先・HTTPメソッド・パスを限定します。照会にPOSTを使うAPIや、認証にPOSTを使う方式もあるため、GETだけを許すことと読み取り専用は同義ではありません。認証方式の整理はAPI認証の型、秘密値の保存は鍵の管理で扱っています。

7. Python実装例:bitbankの残高を参照する

添付のサンプルはPython 3.10以降の標準ライブラリだけで動き、結果を形式で出力します。実口座用のbitbank_balance.pyと、架空レスポンスで項目変換を試すdemo_balance.pyを同じフォルダに保存します。まずは認証情報不要のデモを実行してください。残高取得コード架空データのデモ

ネットワークへ接続せず、架空の数量を共通形式へ変換する
Bash
python demo_balance.py
demo_balance.pyの出力。数量・日時はすべて架空の値
JSON
{  "source": "bitbank",  "endpoint": "/v1/user/assets",  "retrieved_at": "2026-09-22T00:00:00+00:00",  "balances": [    {      "asset": "JPY",      "total_quantity": "100000.0000",      "free_quantity": "98000.0000"    },    {      "asset": "BTC",      "total_quantity": "0.01234567",      "free_quantity": "0.01000000"    }  ],  "is_demo": true}

残高のonhand_amountを総数量、free_amountを利用可能数量として扱い、提供元・取得時刻・資産コードを付けます。JPYとBTCの数量をそのまま足したり、利用可能数量を総数量に足したりはしません。APIが返す数値の形式や重複した資産、数量の整合性を確認してから出力します。bitbankの資産取得仕様

掲載コードの範囲

この例はbitbankの残高1回取得と正規化までです。6社の接続、全取引履歴の保存、価格の取得、円換算、注文は実装していません。デモと模擬応答による検証であり、実口座での疎通確認済みとはしていません。各社の接続は第6節の構成に合わせて別々に追加します。

参照キー設定後に実行すると、本人の口座残高を照会する
Python
# 配布する bitbank_balance.py の関数を呼び出す例import jsonimport osfrom bitbank_balance import fetch_balances
snapshot = fetch_balances(    os.environ["BITBANK_API_KEY"],    os.environ["BITBANK_API_SECRET"],)print(json.dumps(snapshot, ensure_ascii=False, indent=2))

実口座を試す場合は、参照権限だけのキーを作り、BITBANK_API_KEYBITBANK_API_SECRETに設定します。キーをソースコードや記事のコメント欄へ貼らないでください。サンプルは固定の接続先と残高取得パスを使い、リダイレクトを拒否します。失敗時に認証情報や応答本文をエラーメッセージへ含めません。残高の出力先にも本人の資産情報が残るため、保存・共有の範囲を決めて使います。

この最小例はタイムアウトや429で失敗として終了し、再試行はしません。定期実行へ進む段階で、取得状態の保存、上限を共有する制御、待機を含む再試行、失敗通知を追加します。まず一つの口座で「成功した値」「失敗した状態」「古い値」を区別できるところまで作り、その後に接続先を増やす順序が扱いやすいでしょう。

8. 口座選びを決める前の確認項目

APIが存在することと、自分の契約・用途で利用できることをセットで確認する
確認すること判断に使う具体的な問い
口座・契約先日本居住者の個人/法人口座で、そのAPIと対象商品を利用できるか
認証と実行環境常駐アプリ、端末、再ログイン、トークン更新を維持できるか
データと権限残高・約定・価格のどれが必要か。市場データの購読が別途必要か
回数と履歴上限を誰と共有するか。初回取得と障害後の穴埋めができるか
費用API利用料、取引手数料、市場データ購読、実行環境の費用を分けたか
利用目的本人利用、社内利用、顧客向け提供・再配布のどれに該当するか

IBKRを中心に比較するなら、Web・TWS・Flexのどれで目的を満たせるかを先に決めます。暗号資産の資産集計から始めるなら、照会権限を絞って残高を取得し、取得時刻と欠損を残すところまで作ります。取引口座をAPIで扱う第一歩は、必要な情報が毎回そろい、欠けたときに分かる仕組みを用意することです。

よくある質問

日本からAPIを使える証券・FX・暗号資産口座はありますか?
本記事ではIBKR、サクソバンク証券、三菱UFJ eスマート証券、OANDA証券、GMOコイン、bitbankを取り上げています。日本向けの提供条件、口座種類、利用プランや権限を個別に確認する必要があります。
IBKRのAPIは個人でも使えますか?
個人向けWeb APIの公式条件は開設完了・入金済みのIBKR Pro口座です。標準導入ではClient Portal Gatewayを使い、毎日の再認証等を運用に含めます。TWS APIやFlex Web Serviceとは接続方式と用途が異なります。
APIが無料なら、株価取得や取引も無料ですか?
同じ意味ではありません。API利用料、リアルタイム市場データの購読料、取引手数料は分けて確認します。利用する口座・市場・商品・権限により条件が変わります。
毎秒10回のAPIは、0.1秒間隔で呼べばよいですか?
0.1秒は均等に配分した計算値で、必ず通る最短間隔ではありません。口座やユーザーで共有する枠、個別APIの待ち時間、応答で示される残数・リセット時刻も守る必要があります。IBKR Web APIには1回/5秒や1回/15分の個別制限もあります。
資産集計だけでも注文権限は必要ですか?
bitbankでは資産管理用キーを参照のみにでき、GMOコインでも必要な照会機能を選べます。権限の分け方は各社で異なるため、全社共通で参照限定キーがあるとは扱いません。
この記事のPythonコードで6社へ接続できますか?
できません。コードはbitbankの残高1回取得と正規化の例です。架空データと模擬応答で検証しており、実口座への疎通や速度は未測定です。各社の接続処理や履歴の保存は別に実装します。
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