「日銀がデータをAPI公開している」と言うと驚かれるのが現状です。物価・金利・為替・マネーストック・景気ウォッチャー…マクロ経済の根幹データが無料APIで取れます。今回はそれを自社事業計画にどう生かすかを。
BOJ 時系列データ検索 の主要データ
| データ | 更新頻度 | 活用例 |
|---|---|---|
| 消費者物価指数(CPI) | 月次 | 値上げタイミングの判断 |
| 企業向けサービス価格指数 | 月次 | B2Bサービス価格設定 |
| 短観(業況判断DI) | 四半期 | 事業環境の景況感 |
| マネーストック | 月次 | マクロ流動性 |
| 為替(USD/JPY 日次) | 日次 | 輸出入企業の損益管理 |
| 景気ウォッチャー | 月次 | 現場感覚の景気指標 |
データの取得方法
日銀の「時系列統計データ検索サイト」は、ブラウザで系列を選んで ダウンロードする運用が公式想定です。プログラム的に取得する場合は、CSV 取得URLを構築するか、定期的に手動DL→GCS等にアップロードする運用が現実的です。
import pandas as pd
# 例: 日銀公開のCPI時系列CSV を pandas で読み込むdef load_boj_csv(local_csv_path: str) -> pd.DataFrame: """事前に https://www.stat-search.boj.or.jp/ で 系列を選んでDLしたCSVを構造化""" df = pd.read_csv( local_csv_path, skiprows=1, # ヘッダー行をスキップ encoding="cp932", # 日銀CSVはShift-JIS系 ) # 列名は系列によって異なる、要・実データで調整 return df
# 運用例:# 1. cron で月次 CSV を再ダウンロード(手動 or curl + Cookie)# 2. GCS にアップロード# 3. BigQuery に取り込み完全自動化したい場合は、日本銀行統計(BIS共通)の API、もしくは政府統計の総合窓口 に同じ系列データが入っているケースが多いので、e-Stat API での代替を検討するのが運用的に楽です。
活用例:値上げタイミングの最適化
CPI と自社製品の原材料コスト推移を重ね、「市場が値上げを受け入れやすいタイミング」を分析。さらに自社売上 × CPI の弾力性係数を計算すれば、値上げ幅も逆算できます。
でマクロ × 自社の自動分析
日銀APIのマクロ経済データと自社の売上・コストデータを統合した、月次経営会議用ダッシュボードを構築してください。
## 入力
- BigQuery: `finance.monthly_pl`(売上・粗利・販管費)
- 日銀API: CPI / 短観 / 為替 / 景気ウォッチャー
## 必要な処理
1. 過去5年の自社月次PL × 各マクロ指標の相関係数を算出
2. 強相関指標で予測モデルを学習
3. 翌月のマクロ指標予報値で来月予測
4. 「マクロ要因 vs 自社施策要因」の貢献度分解
5. {{looker-studio|*}} で経営層向けダッシュボード
## 出力
- 自動更新パイプライン
- 経営会議用ダッシュボード
- 月次レポート(Markdown)## マクロ × 自社統合分析 完成
### 強相関の発見
| マクロ指標 | 自社売上との相関 | 解釈 |
|---|---|---|
| CPI(食料) | 0.71 | 食品系SKUで強い連動 |
| 短観(製造業DI) | 0.65 | B2B商材で連動 |
| USD/JPY | -0.43 | 円安で輸入コスト圧迫 |
| 景気ウォッチャー | 0.58 | 数ヶ月先の先行指標 |
### 月次予測の精度
- 過去24ヶ月でバックテスト
- MAPE: **6.8%**(年商規模の±1億円程度の誤差)
- マクロ要因のみ予測: 12% → 自社施策込み: 6.8%
### 貢献度分解(来月予測)
- マクロ要因(CPI・短観): +1.2%
- 自社施策(新商品): +3.5%
- 季節性: -0.8%
- **総合予測: +3.9%**
### 構築物
- `pipelines/boj_macro.py` - 日銀API取込
- `mart.macro_x_finance` - 統合テーブル
- `looker_studio/exec_macro_dash.json`
- `reports/2026-10-macro-analysis.md`
PR #401 を生成しました。データ取得の留意点(2026年5月時点)
日銀の 時系列統計データ検索(BOJ Time-Series Data Search) は、Web フォームからの CSV / Excel ダウンロードが中心。一般公開された / API は 2026年5月時点で提供されていない。機械的な大量取得は規約・ガイダンス上推奨されない。
- 提供形態: 時系列統計データ検索画面(https://www.stat-search.boj.or.jp/)から CSV / Excel をダウンロード。
- サイズ問題: 資金循環統計などは Excel の最大行数を超える。CSV → DuckDB / pandas 等の ソフトでの処理が前提。
- API: 公式に「日銀API」と呼べる REST エンドポイントは公開なし。スクレイピングは規約上グレー ─ 慎重に判断。
- ライセンス・商用利用: 日銀ホームページのコンテンツ利用は個別ページに条件記載。一般的に出典明示で再利用可能だが、商用での大規模利用は要問い合わせ(post.rsd5@boj.or.jp)。
- 更新頻度: 統計種別による。月次・四半期・年次が混在。
- 代替手段: 日銀統計の多くは e-Stat にも転載されている(金融経済統計月報、資金循環など)。機械処理が必要なら e-Stat API 経由が現実解。
- 民間ベンダー: Bloomberg / Refinitiv / QUICK などの有償データプロバイダ経由なら API 提供あり。
時系列統計データ検索: https://www.stat-search.boj.or.jp/ / 過去データ問い合わせ: post.rsd5@boj.or.jp / 「日銀API」を業務システムに組み込む計画があるなら、e-Stat API 経由 or 民間データベンダー へ早期に切替検討を。
次回予告
EP.07 は世界銀行データ。国際比較で見る、日本の立ち位置と他国のトレンドの活用法を。
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