1. 身近な「ソフトウェアエンジニア」を逆算する
「ソフトウェアエンジニア」という職業名、これを 作ったのが マーガレット・ハミルトン。彼女が 1960 年代に NASA アポロ計画でソフトを書いていた時、ハードウェアエンジニアと区別するため自ら名乗った言葉。さらに アポロ 11 号月面着陸の成功 も、彼女のソフトウェアが救った。
アポロ 11 号月面着陸が失敗していた可能性。月面着陸 3 分前のオーバーロード警告で、彼女のソフトウェアの「優先度ベースのタスク管理」がなければ、ミッションは中止された。
2. 100 文字でわかる
マーガレット・ハミルトン (1936〜)。米国 CS 学者。MIT 出身、NASA アポロ計画のソフトウェア責任者。1969 年アポロ 11 号月面着陸を救う。「ソフトウェアエンジニア」職業名の名付け親、2016 年大統領自由勲章。
3. 500 文字でわかる
1936 年米国インディアナ州生まれ、アーラム大学で数学。1960 年代、MIT に勤務、夫と幼い娘を抱えながら NASA アポロ計画のソフトウェア責任者 に。当時、ソフトウェアという言葉自体が一般的でなく、彼女は 「ソフトウェアエンジニア」という職業名を自ら名乗り 、ハードウェア寄りの工学者と区別した。1969 年 7 月 20 日、アポロ 11 号が月面着陸する 3 分前、コンピュータのオーバーロード警告 (1201 / 1202 アラーム) が発生。彼女が事前に組込んだ「優先度ベースのタスク管理」が、低優先度タスクを切り捨てて重要な着陸誘導タスクを優先実行、これにより着陸成功。手書きで何千ページもの紙コードを書いた女性エンジニア として、写真も有名 (彼女と同じ高さに積まれたソースコードの紙)。2003 年 NASA Exceptional Space Act Award、2016 年バラク・オバマから大統領自由勲章。彼女が起業した Hamilton Technologies は今も Universal Systems Language で活動中。
4. もっと詳しく
MIT と NASA アポロ計画
1960 年代、MIT のチャールズ・スターク・ドレイパー研究所でアポロ計画のソフトウェア責任者。当時、女性で・若くて (28 歳)・幼児持ちのワーキングマザー、という稀有な状況で、月面着陸ミッションのソフトウェア統括を任された。
「ソフトウェアエンジニア」の名付け親
当時、ソフトウェアの仕事は工学とは見なされていなかった。彼女は「自分たちは工学者である」と主張し、「ソフトウェアエンジニア」 という職業名を生み出した。これが現代のあらゆる IT 企業の基本職業名に。
アポロ 11 号の救助 (1969)
1969 年 7 月 20 日、月面着陸 3 分前、Apollo 誘導コンピュータがオーバーロード警告 (1201 / 1202)。レーダー入力が想定外に多すぎて CPU が処理しきれなかった。ハミルトンが事前に組込んだ「優先度ベースのスケジューリング」が、低優先度タスクを自動的に廃棄、高優先度の着陸誘導を継続。これがなければ、着陸は中止だった。
現代への遺産
手書きの紙コードと並んで撮られた写真は今も有名 (彼女の身長と同じ高さ)。2003 年 NASA Exceptional Space Act Award (賞金 37,200 ドル、当時の NASA 個人賞最高額)、2016 年大統領自由勲章 (オバマ大統領)。彼女が起業した Hamilton Technologies は、「Universal Systems Language」 という独自の形式言語で開発を続けている。
5. 現代への影響
- ソフトウェアエンジニアリング: 職業名そのもの
- 月面着陸成功: 人類史的偉業
- フォルトトレラント設計: 「エラーが起きても止まらない」設計の祖
- 女性 STEM ロールモデル: ワーキングマザー × CS
- システム設計思想: 優先度・冗長性・例外処理
6. もっと知りたい人へ
- Wikipedia (日本語): マーガレット・ハミルトン
- Apollo Guidance Computer (AGC) ソースコード: GitHub で公開
- 写真「ハミルトンと紙コード」: ネット検索で出てくる有名写真
7. 次の話
EP.30 では キャサリン・ジョンソン を扱います。NASA の黒人女性数学者、月面着陸計算を手で行ったヒーロー。
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