「立派なダッシュボードを作ったのに見られない」は組織の典型病。原因のほとんどは 情報設計の失敗。本記事では、 EP.14 で扱った 3-30-3 ルールを ダッシュボードに適用する作法を共有します。
3-30-3 ルール
| 時間 | 見るもの | 配置 |
|---|---|---|
| 3 秒 | 全体の健康状態 | 上段:KPI カード(4〜6 個)、前期比 / YoY |
| 30 秒 | トレンド | 中段:時系列折れ線、セグメント別比較 |
| 3 分 | 深掘り・原因分析 | 下段:詳細表、ドリルダウン、フィルタ |
上段:KPI カードの作法
- カードは 4〜6 個まで:8 個超えると「全部重要」になり優先度がつかない
- 前期比 / YoY 必須:単独の数字は意味なし、「上がった/下がった」が一目で分かる
- 色分けは厳格に:緑は良い、赤は悪い、黄は要注意。情緒的な色は避ける
- 異常値はビックリマーク:閾値超過時に即気付くマーキング
中段:トレンドの可視化
EP.21 の移動平均、EP.22 の前年比をフル活用。生データ薄く + 7 日 MA 太く + 前年同期半透明で重ねるのが定石。
下段:ドリルダウン設計
- フィルタを上部に集約:期間・部署・チャネル等を 1 行に
- ドリルダウンは「クリック → 別画面」ではなく「展開」: の dashboard action / のフィルタ連動
- Raw データへの導線:「この数字、根拠データ見せて」を 3 クリック以内で
ツール別の実装ポイント
| ツール | 強み | 落とし穴 | 向く規模 |
|---|---|---|---|
| Looker Studio | 無料、共有が簡単 | 計算項目の遅さ、フィルタ伝播弱 | 小〜中 |
| Tableau | 可視化の豊富さ、性能 | 学習コスト、ライセンス高 | 中〜大 |
| Looker(LookML) | セマンティック層、ガバナンス | 学習コスト極大 | 大企業・データ成熟組織 |
| Sigma | Excel ライク、 連携 | 新興、エコシステム小 | 中堅 |
| Streamlit / 自前 | 完全制御 | 保守コスト | データチーム強い企業 |
「使われる」状態を作る運用
- 週次レビュー会で必ず開く:「使う場」を作る
- Slack に毎朝サマリーを自動投稿:見に行かなくても重要数字が目に入る
- 異常時の自動通知:閾値超過で部門長にメンション
- 月次アクセスログ:見られていないダッシュボードは廃止検討
ふくふくの進め方
「ダッシュボードを作っても見られない」というご相談には、現状ヒアリング → 3-30-3 設計 → 段階改修 → 運用への組み込みを 1〜2 ヶ月で。「使われるダッシュボード」は情報設計と運用の両輪が必要です。
次回予告
EP.14 は KPI 異常検知とアラート設計。普段と違う数字に人間が気付く前にアラートを飛ばす仕組みを、3σ から まで段階的に。
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