「うちのサービスの を見たい」── 経営会議でよく出るリクエストです。が、ほとんどの場合 DAU を見せても次のアクションが決まらない。本シリーズでは「指標を作る前にどう設計するか」から始め、最終的に キャンペーン経由ユーザの追跡 / アイテム入手後の課金率 / そのためのログ設計 まで、現場で使える指標設計の全工程を扱います。
指標が機能しない3つの典型パターン
- 1意思決定が紐付いていない:「DAU が下がった」で終わり、誰がいつ何をするか決まらない
- 2粒度がバラバラ:DAU は分単位、課金は月締め、流入はキャンペーン別 ─ 重ねられない
- 3定義が共有されていない:A 部署の DAU と B 部署の DAU が違う数字(どちらも正しい)
指標を作る前に決める3つのこと
1. その指標で 何を意思決定するか
良い は 「指標が悪化したら誰が・何を・いつ判断するか」 が事前に決まっています。逆に「とりあえず見ておきたい」指標はノイズ。眺めるための指標と、動かすための指標を分けるのが第一歩。
2. 誰が見るか(経営 / マネージャー / 現場)
経営層は 月次 / 大きな単位、マネージャーは 週次 / 機能別、現場は 日次 / リアルタイム。同じ「アクティブユーザー」でも見せ方が変わる。読み手の意思決定サイクルに合わせるのがプロのダッシュボード設計。
3. どの粒度でログを残すか(後から細かくはできない)
ログ設計は 「後から細かくはできない、後から粗くはできる」 という非対称性が大原則。最初は細かく取って、集計時に粗くする。EP.10〜EP.11 で詳述します。
ダッシュボードに 50 個指標が並んでいるのは、何も決めていないのと同じです。優先度付けされた North Star + サブ KPI 5〜7 個 で十分。EP.12 でツリー構造の作り方を扱います。
本シリーズのロードマップ
| EP | テーマ | 扱う指標 |
|---|---|---|
| 01 | KPI 設計の基本(本記事) | 指標を作る前提 |
| 02 | DAU// と | アクティブの基礎 |
| 03 | 「アクティブ」の定義 | ログイン vs 機能利用 |
| 04 | 継続率と 分析 | Retention 全般 |
| 05 | N+1日継続率 vs ローリング継続率 | 計算式の比較 |
| 06 | の計算式 5 通り | / EC / ゲーム / B2B |
| 07 | ・・ARPPU・課金者比率 | 購買動向 |
| 08 | キャンペーン経由ユーザの効果測定 | 流入経路別 cohort |
| 09 | アイテム入手後の継続率・課金率 | イベント駆動の効果測定 |
| 10 | ログ設計の基本 | イベント名・プロパティ・粒度 |
| 11 | ログ実装:GA4 / Mixpanel / 自社 | 実装パターン |
| 12 | KPI ツリー:North Star → 日次 | 指標の階層化 |
| 13 | KPI ダッシュボード設計 | / |
| 14 | KPI 異常検知とアラート | 閾値・統計・ |
| 15 | KPI レビュー会の設計と運営 | 組織への定着 |
次回予告
EP.02 では、DAU/WAU/MAU の本当の使い分け。Stickiness(粘着率 = DAU/MAU)の解釈と、業界別の 「健全な水準」 の目安を扱います。
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