1. 身近な「マルチタッチ」を逆算する
iPhone・iPad でピンチイン・アウトでズーム、2 本指でスクロール、3 本指でジェスチャー。これらの「マルチタッチ」操作の源流の 1 つが、2002 年に Sony CSL の暦本純一が発表した SmartSkin という研究。
マルチタッチの研究が遅れた可能性。SmartSkin (2002) は世界の HCI 研究者に影響を与え、Apple の Jeff Han (TED 2006) → iPhone (2007) という流れに繋がった。
2. 100 文字でわかる
暦本純一 (1961〜)。日本の HCI 研究者、東京大学教授・Sony CSL 副所長。2002 年 SmartSkin (マルチタッチ) 発表、AR / 知覚拡張等の研究で世界的に有名。
3. 500 文字でわかる
1961 年生まれ、東京工業大学博士。1994 年から Sony CSL (Computer Science Laboratories) 研究員、世界の HCI コミュニティで活躍。2002 年、論文「SmartSkin: An Infrastructure for Freehand Manipulation on Interactive Surfaces」で、容量センサーでマルチタッチを実現する技術 を発表。2 つ以上の指で同時に画面を操作する 概念を技術的に確立。2007 年 Apple iPhone のマルチタッチ画面 に至る研究の系譜の重要な 1 つ。SmartSkin 以外にも、AR (拡張現実) の Cybercode (1998)、人間拡張 JackIn (2014) 等、HCI の主要研究を発表。現在は東京大学情報学環教授・Sony CSL 副所長を兼任、「人間拡張」(人間の身体・知覚をテクノロジーで拡張する) 研究を主導。学会で「あの暦本さん」と知られる、HCI コミュニティのレジェンド。X (Twitter) でも活発に発信。
4. もっと詳しく
Sony CSL での 30 年
1994 年 Sony CSL 入社、現在まで 30 年以上 (副所長兼任)。Sony CSL は 「広い視野で先駆的研究を行う研究所」、IBM ワトソン研究所や Microsoft Research と並ぶ世界の研究機関。暦本は HCI / AR / 人間拡張で世界的論文を多数執筆。
SmartSkin (2002)
2002 年論文「SmartSkin」で、容量センサーをテーブル状に並べてマルチタッチを実現。「ピアノを弾くようにテーブルでマルチタッチ操作」を実演。当時の HCI コミュニティで衝撃、その後の Microsoft Surface (2007)、Apple iPhone (2007)、Jeff Han の TED (2006) 等の研究系譜に大きく影響。
AR と人間拡張
1998 年 CyberCode (2D バーコード AR)、2014 年 JackIn (他人の視点を共有する遠隔体験)、Augmented Sports (運動能力拡張) など、「人間とコンピュータの境界を曖昧にする」研究を一貫して追求。
東大教授と発信
東京大学情報学環教授、X (Twitter) では研究紹介・社会観察を活発に発信、フォロワー 数十万人。「研究者が社会と対話する」モデルケース。
5. 現代への影響
- マルチタッチ: 全スマホ・タブレットの基本操作
- AR (拡張現実): HoloLens / Apple Vision Pro / Magic Leap の研究系譜
- 人間拡張: ニューラルインターフェース・身体共有等の新分野
- Sony CSL: 世界の研究機関
- HCI 教育: 東大で次世代研究者育成
6. もっと知りたい人へ
- Wikipedia (日本語): 暦本純一
- Sony CSL 公式: https://www.sonycsl.co.jp/
- 著書「サイバネティック・ヒューマニティ」(暦本純一・落合陽一): 人間拡張の対談
7. ここまでのまとめ
EP.51-55 で 日本の IT を作った 5 人 を扱いました。村井純 (インターネット)、Matz (Ruby)、増井俊之 (フリック入力)、坂村健 (TRON / IoT)、暦本純一 (マルチタッチ)。日本人で世界の標準技術を作った人々、誇るべき先駆者たち。
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