1. 身近な「OSS」を逆算する
Linux、Wikipedia、GitHub の OSS、Wikipedia、Firefox、ほぼ全てのフリーソフトウェア、その思想的源流は 1985 年にリチャード・ストールマン (rms) が始めた GNU プロジェクト。彼が作った GPL ライセンス が「自由なソフトウェア」を法的に支えている。
OSS 文化が成立しなかった可能性。GPL がなければ Linux も Wikipedia も今の形ではない。彼の極端な「自由」思想は、しばしば批判されつつも、現代のソフトウェア倫理を作った。
2. 100 文字でわかる
リチャード・ストールマン (rms、1953〜)。米国 CS 学者。1983 年 GNU プロジェクト開始、1985 年 FSF 設立、GPL ライセンス作成。Emacs / GCC / GDB の開発者。OSS 思想の極端な父。
3. 500 文字でわかる
1953 年ニューヨーク生まれ、ハーバード大学物理学卒。MIT 人工知能研究所で Lisp ハッカーとして名を馳せる。1980 年代、商用ソフトウェアの「ソース非公開」「再配布禁止」の流れに反発、1983 年 GNU プロジェクト (GNU = GNU's Not Unix、再帰的頭字語) を発表、UNIX 互換の 完全に自由な OS を作る運動を開始。1985 年 Free Software Foundation (FSF) 設立、GPL (General Public License) を策定。これは「コピー・改変・再配布は自由、ただし派生物も同じ条件で公開せよ」という コピーレフト の考え方。彼自身は Emacs (テキストエディタ)、GCC (C コンパイラ)、GDB (デバッガ) の主要開発者。Linux カーネルが GPL で公開されたことで、GNU + Linux = 完全な自由 OS が完成。彼は「Linux」と呼ぶのは間違い、GNU/Linux と呼べ」と主張、これが論争に。極端な思想で知られ、SaaS や非自由 JavaScript を批判、生活面でも独特 (足の毛を食べる動画が拡散)。2019 年、ジェフリー・エプスタイン関連の発言で MIT と FSF を辞任、批判の的に。
4. もっと詳しく
GNU プロジェクト誕生 (1983)
1980 年代、ストールマンが愛した MIT AI 研究所のハッカー文化が、商用ソフトウェアの広がりで崩壊。研究室のプリンタソフトのソースをメーカーに要求して断られた経験が、彼を「ソフトウェアの自由」運動に駆り立てた。1983 年 9 月、Usenet に GNU プロジェクト発表。
GPL ライセンスとコピーレフト
GPL (General Public License) = 「コピー、改変、再配布を許す。ただし派生物も GPL でなければならない」という条件付き自由。「コピーレフト (Copyleft)」 = コピーライトの正反対。これにより「自由なソフトウェアが商用ソフトウェアに取り込まれて自由が失われる」のを防いだ。Linux カーネル、Wikipedia (CC ライセンスはコピーレフト思想の派生) などに影響。
極端な思想と批判
ストールマンは極端なまでに「自由」を追求。SaaS は「自由を奪う」、非自由 JavaScript は「ブラウザの中で実行される非自由ソフトウェア」と批判。生活面でも独特 (足の毛を食べる、ベジタリアン、結婚しない、家を持たない)、変人ぶりで有名。
MIT / FSF 辞任 (2019)
2019 年、ジェフリー・エプスタイン (児童性犯罪者) 関連のメーリングリスト発言で炎上、MIT 客員研究員と FSF 会長を辞任。2021 年に FSF に復帰、賛否両論。
5. 現代への影響
- OSS / フリーソフトウェア全体: 法的・思想的基盤
- Linux: GPL なしには現代の形ではない
- Wikipedia: コピーレフト思想の派生
- Emacs / GCC / GDB: 多くのプログラマが今も使う
- 「Software Freedom」運動: 倫理的議論の中心
6. もっと知りたい人へ
- Wikipedia (日本語): リチャード・ストールマン
- Free Software Foundation 公式: https://www.fsf.org/
- GPL 日本語訳: https://www.gnu.org/licenses/gpl-3.0.ja.html
7. 次の話
EP.27 では アラン・ケイ を扱います。「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」、オブジェクト指向と Dynabook の人。
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