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EP.01LLM Gamedev 12分公開: 2026-05-26

LLM でゲームを作る ── 連動できるゲームエンジン 10 種の地図と選び方

Claude Code / Cursor / ChatGPT でゲーム開発する時代の地図。Godot / Unity / Unreal / pygame / Bevy / LÖVE / Defold / GameMaker / Phaser / Ren'Py を、言語・LLM 連動度・MCP server 対応・想定用途で並べて整理。シリーズの全体構想も。

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Claude Code が GDScript を書き、Cursor が C# を書き、ChatGPT がレベルデザインを提案する。さらに Stable Diffusion がスプライトを描き、Meshy が 3D モデルを起こし、Suno が BGM を作る。1 人インディーがゼロから完成品を出すサイクルが、現実に短縮されてきました。本連載では LLM とゲームエンジンの組合せ を、開発時 / 実行時 / 運用時の 3 軸で具体的に扱います。EP.01 では連動可能なゲームエンジン 10 種の地図と、シリーズで扱う予定のテーマを示します。

1. なぜ今 LLM × ゲーム開発が面白いか

  • スクリプト生成精度の到達: GDScript / C# / Lua / Python は LLM が高精度で書ける言語。シェーダー (HLSL / GLSL) も実用域に
  • アセット生成の実用化: Stable Diffusion / Midjourney / Meshy / Suno / ElevenLabs を組合せれば 1 人で全アセット工程が回せる
  • 実行時 LLM の現実化: NPC の会話・行動を LLM で動的生成するゲームが商用にも出始め (例: Inworld AI / NVIDIA ACE 連携タイトル)
  • ゲーム特有のドメインデータの蓄積: GameDev.tv / Reddit / YouTube の解説が LLM 学習データに豊富 → 「Godot で 2D プラットフォーマー作って」が一発で動く時代
  • MCP 等のプロトコル整備: LLM がゲームエンジンを「外側から操作」できる仕組みが整備中 (Godot MCP / Unity MCP 等)

2. 連動可能なゲームエンジン 10 種の地図

本連載で扱うゲームエンジンを、言語 / ライセンス / LLM 連動度 / 想定用途 で並べて整理します。「LLM 連動度」 は ① スクリプト言語の LLM 生成精度、② プロジェクトファイルの可読性、③ MCP / 拡張 API の有無、④ 公式ドキュメント・学習データの量、を総合した主観評価。

エンジン主言語ライセンスLLM 連動度想定用途
Godot 4GDScript / C#MIT (OSS)★★★★★2D/3D 全般、インディー、教育
Unity 6C#商用 (無料枠あり)★★★★2D/3D 全般、商用、求人最多
Unreal 5C++ / Blueprint商用 (売上 5% RR)★★★AAA 級 3D、フォトリアル
pygamePythonLGPL★★★★★教育、プロトタイプ、2D 実験
BevyRustMIT / Apache 2.0★★★★ECS パターン、研究、Rust エンジニア
LÖVELuazlib★★★★2D、ゲームジャム、軽量
DefoldLuaDefold License (商用可)★★★2D モバイル、軽量
GameMakerGML (独自)商用★★2D 商用、UNDERTALE / Hyper Light Drifter
Phaser 3JavaScript / TSMIT★★★★Web 2D ゲーム、HTML5 配信
Ren'PyPython + 独自 DSLMIT★★★★ノベルゲーム、シナリオ重視
5 段階評価の根拠

★5 (Godot / pygame / Ren'Py): 全工程を LLM だけで完結できる、シーンやアセットの定義もテキスト。★4 (Unity / Bevy / LÖVE / Phaser): スクリプトは高精度、エディタ操作は人手が要る。★3 (Unreal / Defold): 言語 (C++ / 独自) は LLM 生成可だが、Blueprint やバイナリ資産が多く LLM 連携に工夫が要る。★2 (GameMaker): GML は LLM 学習データが少なめ。

3. Godot 4 ── 本連載の主役候補

OSS / 軽量 / GDScript が Python 風 という三拍子が LLM 開発と相性抜群。シーンファイル (.tscn) がテキスト形式なので、LLM が「シーンを直接編集」できるのも大きい。Godot 4 で 3D / 物理エンジンも実用域に入り、商用作品 (例: Cassette Beasts、Brotato、Buckshot Roulette) が次々出ています。

  • GDScript: Python 互換ではないが構文がほぼ Python。LLM 生成の誤りが少ない
  • C# サポート: Unity からの移行組向け、商用案件で .NET エコシステムが要るとき
  • .tscn / .tres: シーン・リソースが human-readable な独自フォーマット (INI 風)
  • godot-mcp (コミュニティ実装): Claude Code / Cursor から Godot を直接操作
  • ライセンス: MIT、ロイヤリティなし、ロゴ表示義務なし

4. Unity 6 ── エコシステム最大

求人数・アセット数・学習教材数で世界最大級。LLM 連動も実用域ですが、prefab / scene がバイナリで LLM が直接読み書きしにくいのが弱点。Muse (Unity 公式 AI)ML-Agents といった公式 AI 製品があり、エンタープライズ用途で安心感も。

  • C#: 構文が安定、LLM 生成は GDScript より歴史が長い分こなれている
  • Asset Store: 何でもある (が、自前で書いた方が早いことも多い)
  • Unity Muse: Unity 公式の AI 機能 (テクスチャ / アニメーション / コード生成)
  • 料金体系: 個人・小規模は無料、売上が大きくなると Pro / Enterprise が要る

5. Unreal Engine 5 ── AAA 級 3D

Nanite / Lumen / MetaHuman などの最先端機能を備えるフォトリアル系の代表。C++ + Blueprint のハイブリッドで、LLM は C++ 部分は得意、Blueprint (ビジュアルスクリプト) は直接編集が難しいので、コードに置き換えるアプローチが現実的。

  • C++ コード: LLM が読み書きできる、複雑度は高い
  • Blueprint: ビジュアル node 編集、LLM が直接いじるのは現状苦手
  • 料金: 売上 100 万 USD/年まで無料、超過分に 5% ロイヤリティ
  • 用途: フォトリアル 3D / アーキビズ / 映像制作との親和性

6. pygame ── 教育・プロトタイプの王道

Python で書ける という一点だけで、LLM 開発との相性が圧倒的。学習コスト最小、プロトタイプ最速。商用には不向きだが、アルゴリズム実験 / ゲームジャム / 教育 には最適。

  • 100 行程度で動くゲームが書ける
  • Python の機械学習・科学計算ライブラリと直接連携可
  • 配布: PyInstaller で実行ファイル化、ただし起動が遅い
  • 3D: ほぼ非対応 (Panda3D / Ursina など別ライブラリが必要)

7. Bevy ── Rust × ECS の新星

Rust 製・ECS (Entity Component System) 設計 で、関数型寄りの記述になるため LLM 生成も安定。コミュニティが急成長中。型システムが厳格なため、LLM が書いたコードでも実行前にバグが弾きやすい のが大きな利点。

  • ECS パターン: データとロジックを分離、LLM がパターンに沿って生成しやすい
  • Rust の型安全性: LLM の hallucination を compile error で弾ける
  • MIT / Apache 2.0: ライセンスが寛容
  • まだ若い: API が頻繁に変わるため、LLM の学習データが古いと困ることも

8. LÖVE / Defold / GameMaker ── 2D 軽量

  • LÖVE (love2d): Lua、ゲームジャムの定番、起動 1 秒の軽さ
  • Defold: Lua、King 社製、Web / モバイル配信が得意
  • GameMaker: GML (独自言語)、商用 2D 名作多数 (UNDERTALE / Hyper Light Drifter / Vampire Survivors)、LLM 学習データは少なめ

9. Phaser / Construct / Cocos ── Web / ノーコード

  • Phaser 3: JavaScript / TypeScript、Web ブラウザで動く 2D ゲーム、LLM 生成と Web 配信の相性が良い
  • Construct 3: ノーコード、子供向けゲームプログラミング教育で人気
  • Cocos Creator: 中華圏で広く使われる、ハイブリッドゲーム向け

10. Ren'Py / RPG Maker ── ナラティブ系

ノベルゲーム / 古典 RPG に特化したエンジン。シナリオ・台詞が中心なので、LLM の文章生成と最も相性が良い分野。Ren'Py は OSS / Python ベース、RPG Maker は商用。

11. LLM 連動の 3 つのレイヤー

レイヤー用途代表ツール / 技術
開発時 (build-time)コード生成 / アセット生成 / レベル生成Claude Code / Cursor / Stable Diffusion / Meshy / Suno
実行時 (runtime)NPC 会話 / 動的シナリオ / プレイヤー入力解釈OpenAI API / Anthropic API / Inworld AI / NVIDIA ACE
運用時 (post-launch)プレイログ解析 / バグ分類 / コミュニティ Q&ALangSmith / Langfuse / 自前 LLM
実行時 LLM のコスト感

NPC を OpenAI / Claude API で動かす と、1 セッション 5-30 円程度のコストになる。F2P モバイルでは厳しいが、買切型ゲームや高単価サブスクなら成立。あるいは ローカル LLM (Llama 3 8B / Phi-3 等) をプレイヤー PC で動かす実装も増え、ローカル LLM が GPU 載っていない PC でも動くサイズになってきた。

12. シリーズで扱う予定のテーマ (構成案 ・随時追加)

  • EP.02: Godot × Claude Code ── GDScript 生成と godot-mcp の使い方
  • EP.03: Unity × Cursor ── C# script 生成と Asset Store の付き合い方
  • EP.04: Unreal × LLM ── C++ コード生成、Blueprint は LLM でどう扱う?
  • EP.05: pygame で学ぶ「LLM 開発の全工程」 ── 仕様 → 実装 → 配布
  • EP.06: Bevy (Rust) × LLM ── ECS パターンと型安全性が LLM 生成にどう効くか
  • EP.07: アセット生成統合 ── Stable Diffusion / Meshy / Suno のゲーム開発フロー
  • EP.08: NPC を実行時 LLM で動かす ── プロンプト設計とコスト管理
  • EP.09: シナリオ・セリフ生成 ── Ren'Py で LLM ノベルゲームを作る
  • EP.10: プロシージャル生成 + LLM ── マップ・ダンジョン・クエストの動的生成
  • EP.11: ゲームバランス調整 ── LLM プレイヤーで自動テスト
  • EP.12: プレイログ解析 ── BigQuery + LLM でユーザー行動を理解する

13. 本連載で意識すること

  • 動くコードを示す: 概念だけで終わらせず、各 EP で最低 1 つは動くゲーム / プロトタイプを
  • LLM 任せにしない判断軸を示す: 「ここは人間が書く / ここは LLM に任せる」 の境界線
  • コスト感の明示: 実行時 LLM のトークン消費を実測値で
  • ライセンスの注意: 商用化を意識した話を都度入れる

次の話

EP.02 は Godot 4 × Claude Code ── godot-mcp を入れて、Claude にシーンを直接編集させる流れを実装込みで扱います。「2D プラットフォーマーの叩き台を Claude にゼロから作らせる」 をライブ風にやる回。

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