ふくふくHukuhuku LLC
EP.01LLM Gamedev 12分公開: 更新:

LLM でゲームを作る ── 連動できるゲームエンジン 10 種の地図と選び方

Claude Code / Cursor / ChatGPT でゲーム開発する時代の地図。Godot / Unity / Unreal / pygame / Bevy / LÖVE / Defold / GameMaker / Phaser / Ren'Py を、言語・LLM 連動度・MCP server 対応・想定用途で並べて整理。シリーズの全体構想も。

#LLM#ゲーム開発#Godot#Unity#Claude Code#MCP
執筆 / 監修
松尾 亮合同会社ふくふく 代表社員

データ基盤・データパイプライン構築 / BI / 生成 AI 活用支援を専門とするエンジニア (28 年)。 本記事は AI 利用ポリシーに基づき、生成 AI の補助で執筆 → 人間が監修・編集して公開しています。

プロフィール詳細
シェア

が GDScript を書き、Cursor が C# を書き、 がレベルデザインを提案する。さらに がスプライトを描き、Meshy が 3D モデルを起こし、Suno が BGM を作る。1 人インディーがゼロから完成品を出すサイクルが、現実に短縮されてきました。本連載では とゲームエンジン ( / / / / 等) の組合せ を、開発時 / 実行時 / 運用時の 3 軸で具体的に扱います。EP.01 では連動可能なゲームエンジン 10 種の地図と、シリーズで扱う予定のテーマを示します。

1. なぜ今 LLM × ゲーム開発が面白いか

  • スクリプト生成精度の到達: GDScript / C# / Lua / Python は LLM が高精度で書ける言語。シェーダー (HLSL / GLSL) も実用域に
  • アセット生成の実用化: Stable Diffusion / Midjourney / Meshy / Suno / ElevenLabs を組合せれば 1 人で全アセット工程が回せる
  • 実行時 LLM の現実化: NPC の会話・行動を LLM で動的生成するゲームが商用にも出始め (例: Inworld AI / NVIDIA ACE 連携タイトル)
  • ゲーム特有のドメインデータの蓄積: GameDev.tv / Reddit / YouTube の解説が LLM 学習データに豊富 → 「Godot で 2D プラットフォーマー作って」が一発で動く時代
  • MCP 等のプロトコル整備: LLM がゲームエンジンを「外側から操作」できる仕組みが整備中 (Godot MCP / Unity MCP 等)

2. 連動可能なゲームエンジン 10 種の地図

本連載で扱うゲームエンジンを、言語 / ライセンス / LLM 連動度 / 想定用途 で並べて整理します。「LLM 連動度」 は ① スクリプト言語の LLM 生成精度、② プロジェクトファイルの可読性、③ MCP / 拡張 API の有無、④ 公式ドキュメント・学習データの量、を総合した主観評価。

エンジン主言語ライセンスLLM 連動度想定用途
Godot 4GDScript / C#MIT (OSS)★★★★★2D/3D 全般、インディー、教育
Unity 6C#商用 (無料枠あり)★★★★2D/3D 全般、商用、求人最多
Unreal 5C++ / Blueprint商用 (売上 5% RR)★★★AAA 級 3D、フォトリアル
pygamePythonLGPL★★★★★教育、プロトタイプ、2D 実験
BevyRustMIT / Apache 2.0★★★★ECS パターン、研究、Rust エンジニア
LÖVELuazlib★★★★2D、ゲームジャム、軽量
DefoldLuaDefold License (商用可)★★★2D モバイル、軽量
GameMakerGML (独自)商用★★2D 商用、UNDERTALE / Hyper Light Drifter
Phaser 3JavaScript / TSMIT★★★★Web 2D ゲーム、HTML5 配信
Ren'PyPython + 独自 DSLMIT★★★★ノベルゲーム、シナリオ重視
5 段階評価の根拠

★5 (Godot / pygame / Ren'Py): 全工程を LLM だけで完結できる、シーンやアセットの定義もテキスト。★4 (Unity / Bevy / LÖVE / Phaser): スクリプトは高精度、エディタ操作は人手が要る。★3 (Unreal / Defold): 言語 (C++ / 独自) は LLM 生成可だが、Blueprint やバイナリ資産が多く LLM 連携に工夫が要る。★2 (GameMaker): GML は LLM 学習データが少なめ。

3. Godot 4 ── 本連載の主役候補

OSS / 軽量 / GDScript が Python 風 という三拍子が LLM 開発と相性抜群。シーンファイル (.tscn) がテキスト形式なので、LLM が「シーンを直接編集」できるのも大きい。Godot 4 で 3D / 物理エンジンも実用域に入り、商用作品 (例: Cassette Beasts、Brotato、Buckshot Roulette) が次々出ています。

  • GDScript: Python 互換ではないが構文がほぼ Python。LLM 生成の誤りが少ない
  • C# サポート: Unity からの移行組向け、商用案件で .NET エコシステムが要るとき
  • .tscn / .tres: シーン・リソースが human-readable な独自フォーマット (INI 風)
  • godot-mcp (コミュニティ実装): Claude Code / Cursor から Godot を直接操作
  • ライセンス: MIT、ロイヤリティなし、ロゴ表示義務なし

4. Unity 6 ── エコシステム最大

求人数・アセット数・学習教材数で世界最大級。LLM 連動も実用域ですが、prefab / scene がバイナリで LLM が直接読み書きしにくいのが弱点。Muse (Unity 公式 AI) や ML-Agents といった公式 AI 製品があり、エンタープライズ用途で安心感も。

  • C#: 構文が安定、LLM 生成は GDScript より歴史が長い分こなれている
  • Asset Store: 何でもある (が、自前で書いた方が早いことも多い)
  • Unity Muse: Unity 公式の AI 機能 (テクスチャ / アニメーション / コード生成)
  • 料金体系: 個人・小規模は無料、売上が大きくなると Pro / Enterprise が要る

5. Unreal Engine 5 ── AAA 級 3D

Nanite / Lumen / MetaHuman などの最先端機能を備えるフォトリアル系の代表。C++ + Blueprint のハイブリッドで、LLM は C++ 部分は得意、Blueprint (ビジュアルスクリプト) は直接編集が難しいので、コードに置き換えるアプローチが現実的。

  • C++ コード: LLM が読み書きできる、複雑度は高い
  • Blueprint: ビジュアル node 編集、LLM が直接いじるのは現状苦手
  • 料金: 売上 100 万 USD/年まで無料、超過分に 5% ロイヤリティ
  • 用途: フォトリアル 3D / アーキビズ / 映像制作との親和性

6. pygame ── 教育・プロトタイプの王道

Python で書ける という一点だけで、LLM 開発との相性が圧倒的。学習コスト最小、プロトタイプ最速。商用には不向きだが、アルゴリズム実験 / ゲームジャム / 教育 には最適。

  • 100 行程度で動くゲームが書ける
  • Python の機械学習・科学計算ライブラリと直接連携可
  • 配布: PyInstaller で実行ファイル化、ただし起動が遅い
  • 3D: ほぼ非対応 (Panda3D / Ursina など別ライブラリが必要)

7. Bevy ── Rust × ECS の新星

Rust 製・ECS (Entity Component System) 設計 で、関数型寄りの記述になるため LLM 生成も安定。コミュニティが急成長中。型システムが厳格なため、LLM が書いたコードでも実行前にバグが弾きやすい のが大きな利点。

  • ECS パターン: データとロジックを分離、LLM がパターンに沿って生成しやすい
  • Rust の型安全性: LLM の hallucination を compile error で弾ける
  • MIT / Apache 2.0: ライセンスが寛容
  • まだ若い: API が頻繁に変わるため、LLM の学習データが古いと困ることも

8. LÖVE / Defold / GameMaker ── 2D 軽量

  • LÖVE (love2d): Lua、ゲームジャムの定番、起動 1 秒の軽さ
  • Defold: Lua、King 社製、Web / モバイル配信が得意
  • GameMaker: GML (独自言語)、商用 2D 名作多数 (UNDERTALE / Hyper Light Drifter / Vampire Survivors)、LLM 学習データは少なめ

9. Phaser / Construct / Cocos ── Web / ノーコード

  • Phaser 3: JavaScript / TypeScript、Web ブラウザで動く 2D ゲーム、LLM 生成と Web 配信の相性が良い
  • Construct 3: ノーコード、子供向けゲームプログラミング教育で人気
  • Cocos Creator: 中華圏で広く使われる、ハイブリッドゲーム向け

10. Ren'Py / RPG Maker ── ナラティブ系

ノベルゲーム / 古典 RPG に特化したエンジン。シナリオ・台詞が中心なので、LLM の文章生成と最も相性が良い分野。Ren'Py は OSS / Python ベース、RPG Maker は商用。

11. LLM 連動の 3 つのレイヤー

レイヤー用途代表ツール / 技術
開発時 (build-time)コード生成 / アセット生成 / レベル生成Claude Code / Cursor / Stable Diffusion / Meshy / Suno
実行時 (runtime)NPC 会話 / 動的シナリオ / プレイヤー入力解釈OpenAI API / Anthropic API / Inworld AI / NVIDIA ACE
運用時 (post-launch)プレイログ解析 / バグ分類 / コミュニティ Q&ALangSmith / Langfuse / 自前 LLM
実行時 LLM のコスト感

NPC を OpenAI / Claude API で動かす と、1 セッション 5-30 円程度のコストになる。F2P モバイルでは厳しいが、買切型ゲームや高単価サブスクなら成立。あるいは ローカル LLM (Llama 3 8B / Phi-3 等) をプレイヤー PC で動かす実装も増え、ローカル LLM が GPU 載っていない PC でも動くサイズになってきた。

12. シリーズで扱う予定のテーマ (構成案 ・随時追加)

  • EP.02: Godot × Claude Code ── GDScript 生成と godot-mcp の使い方
  • EP.03: Unity × Cursor ── C# script 生成と Asset Store の付き合い方
  • EP.04: Unreal × LLM ── C++ コード生成、Blueprint は LLM でどう扱う?
  • EP.05: pygame で学ぶ「LLM 開発の全工程」 ── 仕様 → 実装 → 配布
  • EP.06: Bevy (Rust) × LLM ── ECS パターンと型安全性が LLM 生成にどう効くか
  • EP.07: アセット生成統合 ── Stable Diffusion / Meshy / Suno のゲーム開発フロー
  • EP.08: NPC を実行時 LLM で動かす ── プロンプト設計とコスト管理
  • EP.09: シナリオ・セリフ生成 ── Ren'Py で LLM ノベルゲームを作る
  • EP.10: プロシージャル生成 + LLM ── マップ・ダンジョン・クエストの動的生成
  • EP.11: ゲームバランス調整 ── LLM プレイヤーで自動テスト
  • EP.12: プレイログ解析 ── BigQuery + LLM でユーザー行動を理解する

13. 本連載で意識すること

  • 動くコードを示す: 概念だけで終わらせず、各 EP で最低 1 つは動くゲーム / プロトタイプを
  • LLM 任せにしない判断軸を示す: 「ここは人間が書く / ここは LLM に任せる」 の境界線
  • コスト感の明示: 実行時 LLM のトークン消費を実測値で
  • ライセンスの注意: 商用化を意識した話を都度入れる

次の話

EP.02 は Godot 4 × Claude Code ── godot-mcp を入れて、Claude にシーンを直接編集させる流れを実装込みで扱います。「2D プラットフォーマーの叩き台を Claude にゼロから作らせる」 をライブ風にやる回。

よくある質問

なぜ今 LLM × ゲーム開発が面白い?
**(1) スクリプト言語の生成精度が劇的に向上**: GDScript / C# / Lua / Python はいずれも LLM が高精度で書ける。**(2) アセット生成 (画像 / 3D / 音楽 / SFX) が実用域**: Stable Diffusion / Meshy / Suno / ElevenLabs を組合せれば 1 人で全工程が回せる。**(3) NPC・シナリオを実行時 LLM で動かす実装** が増え、ゲームデザイン自体が変質しつつある。
初心者はどのエンジンから始めるべき?
**Python が書けるなら pygame**: 学習コスト最小、Claude / ChatGPT で全部完結。**3D を学びたいなら Godot**: OSS、GDScript が Python に近く、LLM 生成が安定。**就職・チーム開発を狙うなら Unity**: 求人最多、C# は LLM 生成も成熟。**1 人インディーで売る覚悟なら Godot か GameMaker**: 商用ライセンスが寛容。
Godot と Unity、どちらが LLM と相性が良い?
**スクリプト生成は両方とも実用域**だが、**Godot の方が「LLM だけで完結しやすい」**。理由: ①GDScript の syntax がシンプル (Python 風) で誤生成が少ない、②シーンファイル (.tscn) がテキスト形式なので LLM が読み書きできる、③OSS なのでドキュメント・サンプル全文が学習データに含まれる、④Godot MCP server が複数公開されている。Unity は規模で勝るが、prefab がバイナリで LLM が直接いじりにくい。
MCP server とは? ゲームエンジンにあるの?
**Model Context Protocol (MCP)** は Anthropic が公開した、LLM クライアント (Claude Desktop / Claude Code 等) と外部ツールを繋ぐ標準プロトコル。ゲーム関連では **godot-mcp** (コミュニティ実装) でシーン編集 / ノード追加 / スクリプト編集を Claude から直接できる。Unity 向けも複数の試作実装が出てきている段階 (2026 年時点)。
LLM はゲームのどこに使える?
**開発時**: コード生成 (スクリプト / シェーダー) / アセット生成 (画像 / モデル / SFX) / ステージ・マップのプロシージャル生成 / バランス調整シミュレーション。**実行時**: NPC の会話生成 / プレイヤー入力の自然言語解釈 / 動的シナリオ分岐 / ヒント生成。**運用時**: プレイログ解析 / バグ報告の自動分類 / コミュニティ Q&A 補助。
商用ゲーム開発で LLM 生成コードを使って大丈夫?
**法的にはほぼ問題ない** (生成コード自体は通常著作権の対象になりにくい) が、**実務上は注意点が複数**: ①LLM 学習データに含まれた GPL コードを丸写ししていないか目視チェック、②各ストア (Steam / App Store) のポリシー確認、③チーム開発なら社内ガイドライン策定、④AAA タイトル受託の場合は契約上 LLM 生成禁止のことも。**インディー個人開発なら自由度が高い**。
シェア

この記事の感想を教えてください

あなたの 1 クリックで、本当にこの記事は更新されます。「もっと詳しく」「続編希望」が一定数集まった記事は、 ふくふくが 実際に内容を拡充したり続編記事を公開 します。 送信したリアクションはお使いのブラウザに記録され、再カウントされません。

シリーズの外も探す:

まずは、現状を聞かせてください。

要件が固まっていなくて大丈夫です。現状診断と方針提案までを無料でお手伝いします。

無料相談フォームへ hello [at] hukuhuku [dot] co [dot] jp