土中水分 はガーデニング / 家庭菜園 / 観葉植物の管理で最も役立つ計測対象。本記事では容量式センサーで「鉢植えの水やりタイミング」を科学的に決める方法を扱います。
1. 抵抗式 vs 容量式 — 必ず容量式を買う
| 方式 | 原理 | 寿命 | 価格 | 推奨度 |
|---|---|---|---|---|
| 抵抗式 | 電極間の電気の流れやすさ | 数週間〜数ヶ月 (錆び) | 100〜200 円 | ❌ 非推奨 |
| 容量式 v1.2 | コーティング済み電極の誘電率 | 1〜数年 | 300〜500 円 | ✅ 標準 |
| M5Stack EARTH Unit | 容量式、Grove で配線一発 | 1〜数年 | 600 円 | ✅ 推奨 (M5Stack 派) |
| Adafruit STEMMA Soil | 容量式、 通信 | 1〜数年 | 1,000 円 | 高機能版 |
100 円で売られている抵抗式センサー (DIY キットによく入っている) は 2 週間で電極がボロボロ になります。容量式 v1.2 (青いコーティング、約 300 円) を選びましょう。
2. 配線 (容量式 v1.2 + micro:bit)
- センサーの VCC (赤) → micro:bit の 3V
- センサーの GND (黒) → micro:bit の GND
- センサーの AOUT (青) → micro:bit の P0 (アナログ入力)
(1) センサー本体 (基板部分) は防水ではない。土に埋まる「電極部分」のみコーティングされている。基板部分が土や水に触れると壊れる。(2) ジップロックや収縮チューブで基板を保護 してから挿入。(3) 抵抗式センサーは絶対に推奨しない (2 週間で電極が錆びる)。(4) アナログピン (AOUT) を使うので、micro:bit のデジタル専用ピンには繋がない。(5) 鉢の位置は植木鉢の縁から 3cm 以上離す (縁は乾燥が早く、平均値とずれる)。
3. キャリブレーション (校正)
- 1乾いた状態: 晴天 3 日後の土に挿して値を読む (例: 800)
- 2水を吸わせた状態: 鉢ごと水に 10 分浸して値を読む (例: 350)
- 3範囲を 0-100% に変換: `pct = (800 - raw) / (800 - 350) * 100`
- 4校正値をコードに書き込む
4. M5Stack EARTH Unit のコード
from m5stack import lcdimport unit, time
earth = unit.get(unit.EARTH, unit.PORTB)
# 自分でキャリブレーションした値DRY_VALUE = 0.20 # 乾燥時のアナログ電圧WET_VALUE = 1.65 # 水浸け時のアナログ電圧
while True: raw = earth.analogValue voltage = earth.voltage # 0-100% に変換 pct = max(0, min(100, (voltage - DRY_VALUE) / (WET_VALUE - DRY_VALUE) * 100))
lcd.clear() lcd.print(f'土壌水分: {pct:.0f} %', 10, 50, 0x008800) lcd.print(f'生値: {raw}', 10, 90, 0x808080) if pct < 30: lcd.print('水をやって!', 10, 130, 0xFF0000) elif pct > 70: lcd.print('水分多め', 10, 130, 0x0000FF) time.sleep(30)5. 自由研究テーマ:「鉢植え 2 週間ログ」
- 1鉢植え 1 つ選ぶ (観葉植物がやりやすい)
- 2水やりした直後 に水分を測定 → 100% 付近のはず
- 3毎日同じ時間 (例: 朝 7 時) に測定 → 何日で 30% に落ちるか
- 42 週間記録 すると 2-3 回の水やりサイクルが見える
- 5気温・湿度と並べる と「乾燥した日は速く乾く」が見えてくる
6. データから言えること
| 観察結果 | 意味 |
|---|---|
| 水やり後 24h で 100% → 70% | 鉢の排水性が良い (健康) |
| 水やり後ずっと 90% 以上 | 排水性が悪い (根腐れ注意) |
| 3 日で 30% を切る | 次の水やり目安 |
| 乾燥日には急減 | 気温と相関 → 風通しが良い証拠 |
| 葉がしおれる時の値 | その植物の限界 (個別データに) |
7. 自動水やりも夢じゃない
土壌水分が 30% を切ったら、ポンプを 5 秒回す という条件分岐を書けば、簡易的な自動水やり機が作れます。M5Stack + ミニ DC ポンプ + リレー で部品代は 3,000 円程度。EP.11 LED と警告 で扱う条件分岐の応用編。
8. 次の話
EP.07 では 光合成実験 に挑戦。透明容器に植物を入れて、光を当てたり消したりすると CO2 と O2 がどう変化するか をセンサーで実測します。理科の教科書に載っている光合成の式を、自分の手で確認できます。
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