1. 身近な「HTTPS・電子署名」を逆算する
HTTPS、SSL 証明書、ネットバンキング、PGP メール暗号、デジタル署名。これらすべての基盤になる「公開鍵暗号」、その代表が RSA。1977 年、米国 MIT の 3 人の研究者 (ロナルド・リベスト・アディ・シャミア・レオナルド・エイドルマン) が発明。
「公開鍵で暗号化、秘密鍵で復号」という発想が普及しなかった可能性。電子商取引・銀行・E メール暗号・電子署名すべて、公開鍵暗号なしには成立しない。RSA は現代インターネットの基盤の 1 つ。
2. 100 文字でわかる
ロナルド・リベスト (1947〜)・アディ・シャミア (1952〜)・レオナルド・エイドルマン (1945〜)。1977 年 MIT で RSA 公開鍵暗号を発明、頭文字 RSA で命名。2002 年 3 名でチューリング賞。
3. 500 文字でわかる
1976 年、Diffie と Hellman が「公開鍵暗号」というアイデアを論文発表 (この 2 人は EP.61 候補)、しかし具体的な実装は不明だった。1977 年、MIT の 3 人 (リベスト・シャミア・エイドルマン) が、Diffie-Hellman 論文を見て「実装方法」を 1 ヶ月で考案。「巨大な素数の積は分解が困難」(素因数分解問題) を利用 し、公開鍵で暗号化 → 秘密鍵で復号 が可能なアルゴリズムを発見。頭文字 RSA で命名。1983 年特許取得 (米国)、商業ライセンスで巨額収入。1995 年に Verisign 等の SSL/HTTPS 実装で全インターネットで利用される。2000 年特許切れ、世界で自由利用可能に。2002 年、3 人でチューリング賞。現在 HTTPS は ECC への移行が進んでいるが、RSA も依然主流の 1 つ。3 人ともそれぞれ別の貢献も: シャミアは差分解読法・秘密分散等で有名、リベストは MD5 ハッシュ・Lab の創設、エイドルマンは「DNA コンピューティング」で 1994 年世界初実証。
4. もっと詳しく
Diffie-Hellman 鍵交換 (1976) - 前置き
1976 年、ホイットフィールド・ディフィーとマーティン・ヘルマンが「鍵を共有しなくても暗号通信できる」アイデアを論文発表。これが「公開鍵暗号」概念の起点。しかし具体的な実装方法は提示せず。
RSA 発明 (1977)
MIT のリベスト・シャミア・エイドルマンが Diffie-Hellman 論文を読み、1977 年 4 月のパスオーバーで集中して 1 ヶ月で実装方法を発見。「巨大素数 p, q の積 N = p × q から、p と q を逆算するのは困難」(素因数分解問題) を利用。
MIT 特許とビジネス化 (1983-2000)
1983 年米国特許取得、RSA Data Security 社設立、SSL/HTTPS の暗号エンジンとして商業ライセンス。Netscape 等のブラウザに搭載。1996 年 Verisign が RSA Data Security を買収、2000 年特許切れで自由化。
現在の RSA と量子コンピュータ
現在 RSA は 2048bit が標準、3072bit 推奨。量子コンピュータが完成すれば Shor のアルゴリズムで RSA は破られることが理論的に確実、「耐量子暗号 (PQC)」 への移行が NIST 主導で進行中 (2024 年標準採用)。
5. 現代への影響
- HTTPS / TLS: 全 Web の暗号通信
- ネットバンキング・電子商取引: 全決済の信頼基盤
- 電子署名・PDF 署名: 法的に有効な書類
- E メール暗号 (PGP / S/MIME): 機密通信
- SSL 証明書ビジネス: Verisign / Let's Encrypt 等
6. もっと知りたい人へ
- Wikipedia (日本語): RSA暗号
- RSA 論文 (1977): 公開
- 書籍「The Code Book」(サイモン・シン): 暗号の歴史、RSA も詳述
7. ここまでのまとめ
EP.51-60 で 日本の IT 5 人 + 教育 1 人 + CS 巨人 4 人 (Knuth / Dijkstra / 楕円暗号 / RSA) を扱いました。「身近な技術の裏にある人物史」を追う旅は続きます。
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