ふくふくHukuhuku Inc.
EP.01Foundation 8分公開: 2026-05-10

データ基盤を「Excel依存から救う」最初の一歩

「Excelで月次集計を朝8時から作り始める」を過去にする、最も小さく始める方法。最初の3週間で何をやるかを実例で。

#DWH#BigQuery#段階的移行
シェア

「うちは Excel で何とか回ってる」と仰る企業さんは、いまでも多い。実際、ある程度の規模までは Excel で十分に回ります。問題は、人手の限界を超えたとき。月次レポートを作るために、毎月3日かけて10種類のExcelをマージし、関数の壊れを直し、最終形をPowerPointに貼る…という運用は、規模が拡大するとそのまま組織のボトルネックになります。

「データ基盤」の前に、何が起きているのか

私たちが Excel依存からの脱却を支援するとき、最初にやるのは「現状の業務フロー観察」です。ヒアリングではなく観察。実際に集計担当者の隣に座って、何をどうコピペし、どのフィルタを使い、どのファイルをどう開いているか、メモを取るところから始めます。

基幹DBPostgreSQLSaaSSFA / 会計手動エクスポートCSV / xlsxExcel集計VLOOKUP × NPowerPoint月次資料
典型的な Excel 集計の業務フロー(観察結果の例)

観察すると、必ずと言っていいほど「同じ作業を毎月ている」ポイントが見つかります。そこが最初の自動化ターゲットです。「データ基盤を作る」と大上段に構えず、月次の手作業を1つだけ自動化することを最初のスコープに置きます。

最初の3週間でやることは、たった3つ

  1. 1現状業務マップを1ページにまとめる(誰が、どのデータを、何のために、どう加工しているか)
  2. 2「これだけ自動化できれば月N時間削減」という単一ターゲットを決める
  3. 3最小構成のDWH(BigQuery 無料枠で十分)に1テーブルだけ入れて、Looker Studioで見られる形にする
重要:いきなりDWHを「全部」入れない

最初から全データソースを入れようとすると、半年経っても運用に乗りません。1テーブル・1指標・1ダッシュボードから始めて、現場の人が毎日見る状態を作ってから次へ進みます。

で現状業務マップを作る

業務観察のメモから業務マップを起こす作業は、Claude Code に下書きを任せると効率的です。ヒアリング録音の文字起こしや手書きメモを渡して、構造化してもらいます。

プロンプト例(Claude Code)
以下は経理部の月次集計担当者へのヒアリングメモです。
これを業務マップとして整理してください。

出力形式:
1. 入力データ(誰が、どこから、どう取得するか)
2. 加工ステップ(順番、所要時間、使うツール)
3. 出力物(誰に、いつ、どう届けるか)
4. 失敗ポイント(過去エラーが起きた箇所)
5. 自動化候補(最も時間を食っている部分の上位3つ)

メモ:
---
(ヒアリングメモ全文を貼る)
---
想定される実行結果(例示)
# 経理部 月次集計 業務マップ

## 1. 入力データ
- **基幹DB(PostgreSQL)**:田中さんが第3営業日にCSV出力(10〜15分)
- **会計freee**:山田さんがブラウザからExcel DL(5分)
- **営業SFA**:佐藤さんから前月実績Excelをメール受領(依頼〜受領で1〜2日)

## 2. 加工ステップ
1. 受領Excel × 4ファイルを統合用ブックにペースト(30分)
2. VLOOKUP で部署マスタ突合(崩れチェック含めて60分)
... (続く)

## 5. 自動化候補
- **第1優先**: 部署マスタ突合のVLOOKUP(毎月60分・最も壊れる)
- **第2優先**: SFAからの前月実績取り込み(依頼〜受領のリードタイム)
- **第3優先**: 月次PowerPoint化(30分・データ更新時に毎回手作業)

実装: + で1テーブル

現状把握ができたら、最初の自動化に着手します。例えば「SFAの前月実績Excelの取り込み」を選んだ場合、まず BigQuery に raw テーブルを1つ作り、/Excel をアップロードする運用にします。最初は手動アップロードでもOK。

最小構成テーブル例(BigQuery)
SQL
-- BigQuery: 月次SFA実績の取り込み先CREATE TABLE `hukuhuku_dwh.sfa_monthly_raw` (  yearmonth_date DATE,        -- 月初日付(例: 2026-04-01)  department     STRING,  customer_id    STRING,  amount         NUMERIC,  loaded_at      TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP())PARTITION BY DATE_TRUNC(yearmonth_date, MONTH)CLUSTER BY department;

ここまでで、「Excelで作っていたピボット集計」を Looker Studio で再現できれば、最初のマイルストーンは達成です。1ヶ月後に「もう手作業に戻れない」状態になっていれば成功。次のターゲットへ進みます。

次回予告

EP.02 では、最初の選定で迷う3つの軸(コスト・運用・採用)を、BigQuery / / Redshift の現実的な比較で解説します。

シェア

この記事の感想を教えてください

あなたの 1 クリックで、本当にこの記事は更新されます。「もっと詳しく」「続編希望」が一定数集まった記事は、 ふくふくが 実際に内容を拡充したり続編記事を公開 します。 送信したリアクションはお使いのブラウザに記録され、再カウントされません。

シリーズの外も探す:

まずは、現状を聞かせてください。

要件が固まっていなくて大丈夫です。現状診断と方針提案までを無料でお手伝いします。

無料相談フォームへ hello [at] hukuhuku [dot] co [dot] jp