ふくふくHukuhuku Inc.
EP.11Claude Code 10分公開: 2026-05-10

受託案件の見積書テンプレ:AI時代版

ai で 2.3 倍生産性が上がったら、見積もりはどう変えるべきか。透明性と価値の両立を狙うテンプレートと、クライアント説明の作法。

#見積もり#受託#ai
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使って速くなったんだから、見積もりも安くしてくれない?」── 受託エンジニアの 9 割が直面する質問です。安くするだけが正解ではないし、かといって従来料金そのままでは透明性に欠ける。本記事では、ふくふくが運用している AI 時代の見積もり構造を公開します。

従来の見積もりの問題点

  • 生産性 2.3 倍のメリットを誰が取るのかが不透明。客が全部取るのか、受託側が留保するのか
  • 「AI 使ったから安く」は短期的視点:継続的な品質保証・運用責任を加味すると、安易な値引きは事業を壊す
  • 人月商売の限界:AI で時間が短縮されると人月単価モデル自体が破綻していく

新しい見積もり構造

  1. 1ベース工数:従来通りの工数見積もり(AI なし換算)。透明性の起点
  2. 2AI 効率化係数:実績ベースで 0.4〜0.7(AI 併用での実工数比)。自社の実績データから根拠を示す
  3. 3リスクバッファ:従来 15% → 10%(AI 支援で予測精度向上)
  4. 4価値提案:① 「同じ予算で 1.5 倍のスコープ」 or ② 「予算 20% 減」 or ③ 「品質を上げて従来料金維持」 から選択

見積書のサンプル構造

ふくふくが使っている見積書テンプレ(抜粋)
Markdown
# 見積書
## 案件概要データ基盤の dbt 移行(既存 SQL 200 本を dbt model 化)
## 工数算出| 項目 | AI なし換算 | AI 効率化係数 | 実工数 ||------|-----------|------------|--------|| 既存 SQL の解析 | 80h | × 0.4 | 32h || dbt model 設計 | 60h | × 0.5 | 30h || 実装 | 200h | × 0.5 | 100h || テスト追加 | 80h | × 0.6 | 48h || ドキュメント | 40h | × 0.5 | 20h || レビュー・調整 | 60h | × 1.0 | 60h(AI 効果なし)|| **合計** | **520h** | | **290h** |## AI 効率化係数の根拠過去 6 ヶ月の自社実績から:- データ実装系:0.4〜0.5(最も効果大)- 設計・調査:0.4〜0.6- レビュー・人間判断:1.0(効果なし、人間の眼が必須)
## 価格提示(3 案)- A 案:290h × 単価 10,000 円 = 2,900,000 円(実工数ベース、最も安い)- B 案:520h × 単価 10,000 円 × 0.7 = 3,640,000 円(AI メリットを 30% 共有)- C 案:520h × 単価 10,000 円 = 5,200,000 円(従来料金、納品スピード 1.8 倍)
弊社推奨:B 案。受託側は AI 投資(ライセンス・教育)を回収でき、貴社は 30% コスト削減+スピード向上の両取り。

「AI 使ってるから安く」と言われた時の答え方

回答テンプレ

AI で短縮した時間の一部を、品質保証・運用ドキュメント・引き継ぎ資料の充実に充てます」と提案すると、クライアントも納得しやすい。安くするより、同じ予算で品質を上げる方が長期的に両者にとって良い。

  • ベース工数の透明化:「AI なし換算でこれくらいかかる」を最初に示す
  • AI 効率化係数の開示:自社実績データを根拠に提示。ブラックボックスにしない
  • 3 案提示:実工数ベース / 部分還元 / 従来料金で品質向上 ── 客に選ばせる
  • 継続契約優遇:単発より長期契約を選んだクライアントに係数を厚めに

受託側の経営目線

AI で 2 倍速くなったとして、料金を半分にすれば売上半減します。短期的に成立しても、ライセンス代・新人教育・品質保証の投資を回収できなくなる。メリットの 30〜50% を顧客に還元、残りを自社の成長投資に回すバランスが現実的です。

AI メリットの分配シナリオ
シナリオ受託側顧客側持続性
100% 顧客還元(半額)売上半減 → 倒産リスク短期メリット大✗ 受託側が淘汰
50% 還元(30% 値引き)粗利改善、投資余力コスト改善 + 品質向上✓ 持続可能
0% 還元(従来料金)粗利急増他社比較で割高感△ 中長期で離脱

ふくふくの進め方

AI 時代の受託料金体系を社内で見直したい」というご相談には、自社実績の集計(1〜2 週間)→ 効率化係数の算出 → 見積書テンプレ整備 → 営業ロールプレイまで含めた 1 ヶ月パッケージで対応しています。他社の見積もりとの差別化にも効きます。

次回予告

EP.12 は と Cursor / Copilot の使い分け。それぞれの得意領域を実プロジェクトで分けています。「AI コーディングツール、結局どれ?」の答え。

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